ストレイテナー Creatures 札幌

この曲だけ、
カタカナ表記なことの、意味。



泣いちゃってごめん、ホリエ。








テナーのライブに行ってきました。


行く前は、
いろんな「怖い」が押し寄せてて、
不安がいっぱいでした。



目の前で鳴ってる音と想いに、まっすぐになれるのか。
悲しみに、支配されてしまわないか。
だいたい、体力保つのか・・・。



でもねえ、
この日、
踊りながら、
叫んだり笑ったり、闘争本能がむき出しになったり、
・・・・カナシミがはち切れて、ボロ泣いたりしてたら、
なんとなく、わかったきがします。



音楽に対して、まっすぐになれない・・・・、と、
思い込んでいた理由が。






いつも、
音源を聞く時や、
ライブでは、
目の前にいるアーティストのことだけを考えることが礼儀だと、思っていたから、
(それは今でも、間違っているとはもちろん思わないが)
フジファブリック以外のアーティストのうたで、
すぐに志村のことを思ってしまうのは、
相手に失礼だし、自分で・・・・・納得いかないところがあって。
喪失や、迷いや、命に関することを深くうたっていればいるほど、
志村のことに直結してしまって、カナシミが溢れ返ってしまう。



そんな状態で、ライブに行くのが、嫌だったし、
・・・・とても辛かったんだ。



でもさ、
これって、違うなあ、と、やっと気付いた。



この、胸に広がるカナシミの虚空と、
足元が覚束ないような不安感は、
誰かの所為で、生まれたものではないんだよね。
きっかけはあったにせよ、
どちらも、自分で生みだしたものなんだ。


その、自分が抱えている灰色の感覚が、
目の前で鳴っている音に呼応して溢れだしてくるということは、
それだけ、素直にこころをうたに乗せることができている、
という「しるし」なんではないだろうか。



志村を失った悲しみ。
それに付随して起こった、たくさんの痛み。
自分の選んだ歩き方と、見つめてきたものの、意義。
それらを、うたに重ねて、感じ、考え、解放することを、恐れないこと。
それこそが、うたってくれているミュージシャンに対する、
精一杯の礼儀なんではないかと、思ったのだ。



故意に結び付けている訳ではない。
それが、溢れだしてくることを、止めることができないのであれば、
素直に、ありのまま、うたの前にさらすこと。
それこそが、愛するうたと、うたいてに向き合う、ということなのではないか。




たぶんね、
志村のことに関しては、潔癖になっていたいと、
妙な使命感みたいなもんも、あるんだと思うんだよね。
音楽に殉した人の、音楽に魅せられた立場として。
だから、
他のアーティストのうたで、
楽しんだり、
涙を流すことに・・・なんとなく罪悪感あるし、
・・・くやしい、という感覚も、確かにあって。


でも、これって、ただの自己満足にすぎないんだよね。
今更、こんなに好きだったんだって主張したところで、相互の理解は果たされないし、
好きなのは、・・・・まあ、わかってたことであって。



事象に所為にするのは簡単。
他者を攻撃するのも、閉じるのも、簡単。


でも、この生みだしたカナシミを、受け入れることは、
人任せにできるものではない。





とまあ、回りくどいけどね、そう、思ったのです。








はい、
こっからライブレポ(笑)






ストレイテナーの音は、いつでも、しゃんとしてる。
背筋がピンっと張ってる感じ。
揺るがない。
昔は、その硬派な姿勢が、ちょっとした壁になってたところも、あったりしたんだけど、
今は、それに、包容力が備わっていて。


なんというかねえ・・・、
大山くんがチームに加わったことで、
ホリエくん、随分自由になれたんじゃねえかなって、思うんだよなあ。
最近のステージ上での彼を見ていると、ホントに、実感としてある。


うたうこと、うたに想いを乗せることに集中できる、というのは、
かなり大きい。
もうね、彼のうたの力、
驚くほどに、激しく、やさしく、艶やかになっていて。


正直言うと、
過去の曲に対して、ここまで美しい曲だとわかってなかったな、と、
今のホリエくんがうたってるのを聞いて、やっと気付くことが、とても多くて。
ミディアムテンポやバラードって、
ここ数年です、ちゃんと聞けるようになったの。


うたの持つ輝きを、生で表現する能力が、
驚くほど発露して、半端じゃなく、開けている。


あたしがテナーに求めていたものって、
熱さや激しさや、衝動を突き動かす強い力、だと思ってたんだけど、
・・・それだけで、ここまで、長い付き合いになる訳がなくて。







鍵盤が鳴ってて、尚且つギターを鳴らすことができるのは、
彼の表現したい形に一番近いんだろうなあ、っていうのもあるし。
なにより、OJのギターはね、美しい。
激しさも、強さも、もちろん備わっているんだけれど、
なんかねえ、品があるんだよなあ。OJの音は。
それが、とても、ホリエの世界に、広がりを与えてる気がする。


虚構や、比喩を、表現として多用しているけれど、
その芯に、こめられている願いは、昔から変わっていなくて。
そこが、ホリエとストレイテナーを信頼している所以ではあるのだけれど、
その願いが、ここ最近、
とても伝わりやすい形で(安易や迎合ではなく)うたわれているなあ、と思うのです。
Nexus」以降の歌詞は、
世界を損なうことなく、願いを伝えられるだけの熱を伴う形に洗練されていて、
その上、ガラスの欠片のように、美しくて、痛い。
同時に、強さと熱さも増しているのが、
バンドであるが故の、繋がりが起こす、奇跡なのだと思う。


ストレイテナーの場合、
その幸福な巡り合わせを呼び寄せるだけの戦いを、
常に、隙なくしていたからこその、今、なのだと。


まちがいないんすよ、彼らの音は。









アルバム聞いてて不思議に思ったのは、
何故、ここまで構築された空気の中で
{瞬きをしない猫}を最後に持ってきて、
がっしゃーーーん!と壊してしまうのか、ということ。


はい。
ライブで、その答えはわかりました。
同じ疑問を持った方、もし、いらっしゃったら、
是非、ライブを。
感じてください。それで、納得できると思う。


それこそが、ストレイテナーだから、としか言いようがない。



それこそ、ライブ始まる前まではね、
もう、アゲの定番曲とか、やんなくてもいいんじゃねえかと思ってたんだけどさ。
このセトリで、感覚的に問題ないって、
バンドの基礎体力が違うなあ!って、改めて思ってしまったよ・・・。



ダイブ禁止については、事前にシンペイくんが、アナウンスしていて。
こういうところが、信頼できるところでもあるのだよね。
自分たちで、最善の策を考えたことを、
オーディエンスも、受け止めてくれると信じてくれる。
この、姿勢がさ。



最近ね、
何しにきてるんだかよくわからん子らが、ちょいとばかり多いな、とは思っていたし。
初めてライブにきて、わけもわからず巻き込まれちゃう子だって、いるってこと、
身体を動かすだけがライブじゃないってこと、
他人の存在や意識を尊重するってことを、大事にしよう、ってことでもあるんだよね。
怪我しない、させないってことも、そのひとつでさ。







ストレイテナー
CREATURES PARADE TOUR
@札幌ファクトリーホール
10.4.17


<セットリスト>
MEMORIES
Black Hole
KILLER TUNE
クラッシュ
BIRTHDAY
Melodic Storm
Man-like Creatures
CLONE
Toneless Twilight
Ark
PLAY THE STAR GUITAR
MAGIC WORDS
イノセント
SIX DAY WONDER
Dark Blue Day
OWL
DONKEY BOOGIE DODO
クラムボン・インザエアー
BERSERKER TUNE
Little Miss Weekend
TRAIN
瞬きをしない猫


EN
Sunny Suicide
Discography




なんか・・・・足りねえような気もするが・・・・。




以下、覚えてることをつらつらと。
順不同。
体裁も整えない。
もう、思いだしたら即記載、で(笑)




{バーサーカー}のリアレンジが、もう、ホントにヤバい。
リズム体、倍速。なんだこれ(笑)
あんまりかっこよくて、踊るの忘れて爆笑しちゃった。
あのもたり感がアガる曲だったのに、
これはこれで・・・・ええやん!
狂うわい。
この曲の、底力を見た気がした。


{OWL}の照明、異世界みたいで、ゾクっとした。
客席後方からのスポットだけなんて、いままで見たことない。
深夜の森を、車のヘッドライトが所在なさげに照らしてる感じ(@友人mon)
これ、すごい素敵だった。
{Dark Blue Day}のベルベットブルーに沈む空気といい、
{DONKEY BOOGIE DODO}の焦げ付くような赤さといい、
リズムの瞬発力に呼応するフラッシュライトといい、
ライブの度に、照明の表現が豊かになってるな・・・。
チームの力。
照明と言えば、
{MAGIC〜}の時、客電まで全開にしてて、
おいおい、アンコールかよ・・・と笑ってたら、
この後のMCでホリエが「照れた〜〜!!!」って叫んでて(苦笑)
顔、見えてるんすね・・・というか、見ることができるようになったんだね。



ひなっちが、MC中やたらとベース音で発言していて。
主に、ホリエ氏に対しての、つっこみであろうと思われますが(笑)
せっかくの名曲オンパレードの後に、
「平成の安全地帯」はねえよ・・・・ホリエ・・・・。
あと、
ライジング出ないのー?って話の流れの中で、
ライジングサンはわかんないけど、ダンシングドールは出れるよね?」
と、まったくもってどうしたらよいのやらわからん発言をしおって(笑)
シンペイにオンマイクで「責任とれよっ!!!」と怒られてました(笑)


散々書いてますけど、
とにかく、ホリエの「うた」がすごい。
{OWL}の投げやりなようでクールな荒いうたいかたは、すごい色っぽかったし、
{イノセント}の真っ白な穢れのない透明感たるや、
まるで自分のささくれだった心まで、やさしく包み込んでくれるようで・・・。
{Man-like Creatures}では、
その囁きが、色がないのに、誘うように滑らかに流れ出て、現実感を失わせる。
浮世離れした匂いと、今が混ざり合った浮遊感に、我を忘れそうに・・・。
{CLONE}の押しつぶされそうな孤独の果ての、消え入る寸前のともしびのような、
痛みが迫ってくる、その声。
辛くて痛くて、取り乱してしまいそうだったよ・・・・・。


前みたいに、音に負けちゃうようなことが全然なくて。
うたうたいとして、すごい力ついてきてる。
{イノセント}からの三曲。
聞けただけで、全部報われた気がした。



今回のツアーのひなっちは、リズム体に徹してますねえ。
三人テナーの時は、ベース兼リードギター(笑)みたいな位置で、
がっつんがっつん主張しまくってんのが、もー楽しくて。
あたくし、常にひなっち前キープでしたし(苦笑)
でもね、
派手に前に出ずに、
曲のストーリーを描くことに徹している、今のスタイルはとても安心感がある。
何せ、あのひなっちですからね(笑)
シンペイくんが、ちっと見失いかけてても(苦笑)ぐっと、もたせてくれる。
泣きの曲でも、とても透き通った美しい景色でも、
そこにいてくれるだけで、確実に支えてくれる。


今日のライブの中で、一番ぐっときたのは、{Man-like Creatures}。


ホリエが紡ぎ出した、特異ながらも、見たことのない、美しい世界観を、
四人で、それぞれが在るべき場所で、がっちり「守る」ことで、
恐ろしいほどの音のうねりを生みだしていた。
個々の力が、どれほどなのかということを、まざまざと見せつけられましたね、今更ですが。



だからこそ、ひなっちが前に出た時の破壊力たるや(笑)
{Discography}のこれでもかっ!!ていう唸り方は、
そりゃあもう、気も狂うわってイキオイだったし、
・・・・{DONKY〜}腹の底でぐるんぐるん言ってるのは、もう完璧。
やばい。あたし的に大好物(笑)
横揺れを気持ちよく鳴らせるリズム体は、間違いないっすよ(笑)



シンペイくんは、どんどんいいグルーブを叩き出すドラマーになってますね。
偉そうですいません。
でも、ホント、そう思う。
ドラマーにはめずらしく、常に、最初から全開な方なんですけど、
気持ちだけで突っ走ることが、なくなってて。
ホリエのうたと同じように呼吸するリズムが、とても心地いい。












余計なお世話だと思いますけど、
どこの会場では何を歌った、だとか、
アンコールやったとかやんないとか、
そんなもん気にするのって、無意味だと思うんすよね。
まあ、好きなものに対して、
知ることができるものは、全部知りたいって思うの当然ですけど、
実際に向き合うことのできた、奇跡のような時間を、
もっとじっくり大切にしてほしいなあと、思うのですよ。


もう、二度と、会えなくなるかもしれない。
だからこそ、共に呼吸できた時間をこそ、
精一杯、吐き出して受け止めて、感じて考えて、
何度も確かめて、大切にしたい。
「瞬間」がとても貴重なことだと思える真摯さは、持ってて欲しいと思うからさ。
テナー好きな人なら、
音楽に、楽しむ以上のものを感じてる人なら、わかると思うし。





















すいません。
ものすごい書きかけです(苦笑)
でも、このまま、載せときます。
なんか、いっつも、書いては保存し忘れるらしいので(笑)
あとで、手直しします。
多分。