時代の匂い

harikona2009-07-09

自分自身と
真摯に向き合った結果
出来上がった作品が
意図せずとも、
その時代の
匂いを纏っている。


こういう作品を作ってしまう人は、
感性が並外れているんだと思う。
今に鳴らされるために、生まれ来るうた。
鳴らさなければ、ならないうた。



中村一義

世界のフラワーロード(DVD付)

世界のフラワーロード(DVD付)

岸田繁
魂のゆくえ

魂のゆくえ

蔡忠浩
オリハルコン日和

オリハルコン日和

同じ時期に悩み苦しみ、紡いだ音が、
まるで示し合わせたように、今年発表されているのは、
偶然ではない。


ここから、何を読み、何を感じ取れるか、
そしてそれを、どう今に生かしていくか。
聞き手たる我々の、感性は試されている。



燦然と輝いていた星が、まるで連れだって、本来いる場所へ帰って行くように、
空に昇ってしまった今年。



自問自答と、議論は、まだまだ尽きることはない。




なんでも関連付けりゃいいってもんでもないとは思いますが、
この三枚の存在は、あたしの中で、あまりに大きい。



フラワーロード
あまりにやさしく、穏やかでありながら、深遠なる宇宙。
構える前に、あっという間に、心の何もかもに、光が当たっていく。
闇でさえ、歪みでさえ。


言葉のひとつひとつに、音の語り方に、
驚くほど、自分を見抜かれているのを感じる。
なのに、不安も恐れも、恥ずかしさも、微塵も感じない。
涙がこぼれるのに、辛い涙ではない。
うれしいのとも、安堵とも、違うような気がする。


なんだ、これは。


わたしのどこに、こんな気持ちがいたのだろう。



トムくんのリズムを聞いていると、
自分のふとんにもぐりこんだときのような、とても穏やか気持になる。
こんなトムくんも、初めてだ。


小野ちゃんの吹くハープが、とても好き。
こんなに澄んだ音鳴らせる人、そうはいない。