People in the box×tacica 青森

TOUR parallel park わくわく編
出演:People in the box tacica
@青森QUARTER
08.6.21


tacicaのレコ発ツアーだったんですね・・・。
すいません・・・。完全にPeople目当てで・・・。
ほかの会場はTHE NOVEMBERSが出たり出なかったりもしてたみたい。
金沢はLOSTとツーマンだとか。
あー、いいねえ(笑)なんかわかるなー。
っちゅうか、エライ男くさい対バンっすね(苦笑)
青森はあと地元のバンドが二つ出てました。


tacicaとPeople、結構いいツアーだと思うんですけど、
人が・・・す、少な・・・。もったいねー。
でもおかげでまったりじっくり見ることができました。
酒すすむすすむ(笑)


さてさて、念願の初生People。
ずっとボーカル・ハタノくんと一緒にやっていた
ベースの中山くんが最近脱退してしまって、
彼のベース・・・というか、
ここのバンドのベースラインが非常に好きだったワタクシとしては、
残念極まりなかったのです。
一度も生で聞かないうちに・・・。くやしー。
それに、新しいベースの福井くんが加わってから
そんなに日も経っていなかったしねえ。
あのなんとも言われない流れ方する低音が、どうなっちゃうのか・・・。
まあ、それ以前に、
このバンドのライブがいったいどんな感じなのか、
まったく想像つかんかったので、ものすごい期待と結構な不安が渦巻く開演前(笑)
ファーストとセカンドでも随分雰囲気変わってたし、
CDJ07−08に出演した時の中で一曲だけ放送されたの見たときは、
音バラバラだし、意外とテンション高いし、突っ走り過ぎてるしで、
あれれ?って思ったので(苦笑)



People in the box
<セットリスト>
はじまりの国
六月の空を照らす
犬猫芝居
MC
新曲(月曜日喪失)
ユリイカ
She Hates December
ペーパートリップ



えーっと(笑)何から書けばいいのかな・・・。
なんか驚くことばっかりで(笑)
まずねえ、音が太い!
繋がり、密だしね。音がみっちりしてる。
あと結構直情型。
バンド自体の発してる熱は非常に力強い。
やっぱりベース変わったばっかりだからか、
まだ三人それぞれの間合いを計りながらっていうところありましたし、
おっとっと!ってなってるとこも多々ありましたけど(苦笑)
もっと繊細っつうか華奢なイメージがあったのですが、とんでもない。
や、うんとねえ・・・三つの音とハタノの声の絡み合い方は非常に繊細なんです。
メロディーも歌詞もあやうい感じがすごいするから、
それに対しての音のつながり自体はとても緻密で
ハタノの世界観が見事に音像として具現化しているなあとは思った。
音源聞いてた時点では、もっと色がない感覚だったんですが、
実際の演奏は、とても感情豊か。
思ってたよりバンドの体温、すごく高いし。


でも、でもだよ。


演奏熱いし、すごく展開されている情報が多いのに、
ハタノの声が乗ると、急に世界の焦点が、歌詞にギュンって引っ張られる。
これってすごい。
勢いが削がれるってことではないんです。
音の勢い、演奏の熱、すべてを内包したまま、
ハタノ独特の世界に「取り込まれる」感じ。
こんなに、引力が強いとは思わなかった。
世界観自体がとても華奢・・・というか、線が細いというか、なので、
それを生で維持すること、
さらに客を巻き込むことは、とても大変だろうと思ってたんだけど、
生で感じて、改めて気がついた。
この危うさは、
今の自分の日常にも、あっさりと潜んでいることなんだ。
日常に抗うことと、達観しているような気になること、
両方のベクトルの熱量と、その両方を見つめる冷静さが同居している、
このバンドが表現していることが、しっくりくるからこそ、
こんなに引き付けられるんだ。
確かなものなど、自分で感じた感覚しかないのだ。
足元は、常に綱渡り。


感覚の話なんで、伝えずらいんですけど、
色で言えば、
グレーか、黒みがかった銀。
朝靄のような白。
発光してる光の中心ではなく、
その光の輪の果て、闇との境界線上の、溶け込みそうな限界の輪郭の淡い白。
それがこのバンドの音の色。


それにしても、こんなに音自体が強いとは思わなかった。
こんなに体動くとはねー・・・。


ハタノくんの声、思ってた以上に透明で純粋な響き。
なんだろ、感情がねえ、悲しいとかうれしいとか楽しいが感じられないの。
ま、そういう歌うたってませんけど、彼らは。
その声に見え隠れするのは、圧倒的な焦燥感と喪失感、とでも言おうか。
焦り、苛立ち、虚無。そしてそれが当たり前だと、言い切ってしまう、妙な潔さ。
こういう感情は、早く抜け出したい、と歌う子らが多いんですけど、
ハタノくんはそう感じている気持ちを、冷静に見つめているところがあって。
醒めているんではないんです。
当事者と傍観者が常に同居している感じっていうのか。
しかもその傍観者の目線が歪んでるの。冷静なのに。
この声で、そのヒリヒリするような感情と暗闇に落ちていきそうな感覚と、
有無を言わせないような歪んだ冷たさ、をうたう。
なんかねえ、踏み外しそうなんだよ。
しかもわかってて踏み外しそうなとこ歩いてる。
ぞっとしました。なんだ、この人・・・・。
でも驚いたのは、声の圧が強いんだよ、すごい華奢な声音なのに。
言葉もはっきり聞こえるし、届かせる力が強い。
もって生まれた声も特異ですけど、なかなかいいうたうたいだと思います。
歌うときの声がしゃべり声と変わる人って結構いますけど(APOGEEの永野くんとか)
MCん時と歌ってるときと大差ないのよねえ。
彼は声変わりしててあの声なんすかねえ・・・。
声と見た目(すんごい細くてちっさい)に反して、
パフォーマンスは意外と激しいし、結構叫んでたし、
・・・なんか驚きっぱなしでしたわ(笑)


う〜ん。
あたし自分で思ってた以上に聞き込んでますね(笑)


セカンド初めて聞いた時、ハタノの世界観が、
少し世間に侵食されちゃった気がしてたんだけど、
逆だった。
ハタノの世界観が、音を、侵食している。



{はじまりの国}
高らかに鳴るハタノのギター。
曲入る前に三人で音あわせ的なセッションをしてたんだけど、
大抵こういうの鳴らしてると、何の曲やるかってわかるもんなんですけど、
このバンドは・・・三人の間合いがまったく読めない・・・。
や、あたしが彼らのライブ見るの初めてだったからかもしれんですが。
やっぱり、なんか変だ、こいつらは・・・・。
予測が・・・つかん。
ハタノ「こんばんは。People in the boxと言います。よろしくお願いします」
と、溜息のように言葉にしてから曲が始まった。
ハタノが歌いだした瞬間。思わず目を見張った。
なんて声してるんだ。
彼の世界観には、この声音、ぴったりだ。
いや、この声の持ち主だからこそ、夢と妄想と現実の境目が曖昧な、
でもどこか身に迫ってくるような歌詞が書けるんだな・・・。
歌詞がはっきり聞こえる。



{六月の空を照らす}
駆け上がるようなタムの響き。
まったく違うメロディーを歌っているようなベース。
うーん。
思っていたより、ここのリズム隊。主張が強い。
いや、ひょっとしたら、強くなったのか。
でも、曲の中では全然ケンカしてないんだよなあー。
不思議なバランス感覚だ・・。
サビで抱えてた感情の高ぶりが、
一気に堰を切ったようにあふれ出してくる様が、すごかった。
ハタノくん、ブレスする時にノドがひゅうって鳴るの。
これ結構キますね(苦笑)
あ、すいません。若干変態発言ですか?(笑)


{犬猫芝居}
おお。
このきわどい歌詞を初上陸の地で出すか(笑)
にしても、彼の中で「預言者」ってどういう位置づけなのかな?
ひとりよがりの自己主張ばかりを繰り返している人間、ともとれるし、
正しいことを言っているのに、世間には相手にされない悲しい人、ともとれるし。
この曲では、前者の方が近いのかな。
しっかしまあ、
歌いながら、よくあのフレーズが弾けるな・・・。
ややこやしいだろうに・・・。


MC
ハタノくんって冗談とかあんま言いそうにないなあと勝手に思ってたんだけど、
そうでもなかったようです(笑)
しゃべりのトーンはテンション低いけど(苦笑)
「僕が初めて言うと思うんですけど、
青森って、本州の一番北ですよねえ・・・・」って(笑)
う〜ん。そうだねえ・・・。
それに反してドラムの大吾くん。
テンションバカ高い(苦笑)
バンドの世界観壊しかねない勢いで(笑)物販紹介をジャパネットばりに・・・。
彼なりに頑張ってるんだとは思うのですけれど・・・。
MCの方向性の検討を望む(苦笑)


{月曜日喪失(新曲)}
タイトル聞いたときにニヤリとしてしまった(笑)
う〜ん、いいタイトルだ。らしいっすね。
サビ前くらいに「勉強しなさいってママが言った」って歌詞があったんだけど、
ハタノくんの声で「ママ」って言われると・・・ぞくっとしますね(笑)
これまたいつもにも増して、なんだかややこやしい展開をしている曲だった。


{ユリイカ}
8月に出るスプリットアルバムに入ってるやつだと思われます。
歌詞に「ユリイカ」って出てきたから、多分間違いないと。
三拍子。
三拍子なのにガシガシ前に進む感じがおもしろくて。
変なところでブレイク入るんだよなー。
聞いてる方もおおおうってつまずいたみたくなるの。
聞いた事あるメロディーが出てきたような気がした・・・。


{She Hates December}
曲に入る前に三人で音鳴らしてたのが、すんごくきれいで。
大吾くん・・・うまい・・・・。
こういうゆったりしたリズムを淀みなく叩けるのは、いいね。
ハタノのギターが鳴った瞬間にキターーー!!って叫びそうになる(苦笑)
やったー!これが聞きたかったんですよう!
このギターのフレーズと、うたの兼ね合いって、
いったいどうなってるんでしょうか・・・。
ものすごい気持ちよく入ってきますけど、
違和感はすごいあるのよね(笑)
大サビ前のギターソロ、叫びながら弾いてました・・・。
後半若干かみ合ってないところもありはしましたが、
聞けただけで満足。
このバンドのドラムは本当に大変だと思う。
大吾くん、よく叩けるな・・・。
タムもシンバルも、数がずいぶん多い。


{ペーパートリップ}
それにしても、ハタノくんはものすごい声量がある。
華奢な響きなのになあ。
ものすごい通るのよねえ。びくっりするくらいに。
歌い方の緩急の付け方もうまいしねえ。
ときおり語るようになるところとか、ぞくっとする。
これ無意識だったら、空恐ろしいですな・・・。


「ありがとうございました。People in the boxでした。」


正直、
何故このバンドにハマっているのか、
生で見ても、明確な理由がやっぱりわかりませんでした(苦笑)
歌詞はどう考えても、私の世界にはないもの。
誤解を恐れず書きますが、
一歩間違うとビジュアル系??とも取られかねない単語も多いし。
もちろん、受け入れられないものではないんですが。
そうかと思えば、
ものすごいややこやしい(苦笑)曲の展開を平然としているので、
技巧に走ってるようにも聞こえるし。
見た目が華奢な感じが、女の子受けしそうだっつうのもあるし。
ホントにねえ、あたしのツボと、ことごとく違うんだなー(笑)
なんなんだろう・・・。
やー、やっぱり、ハタノの声だなー。
あとこの、聞いたことのないアンサンブルの作り方。
妙に頭に残る。
これかなあ。
なんか、自分でも、
書いていて感じたことが一貫してねえな、と思うんですが(苦笑)
彼らに対する見方が、まだ定まらないんですよね。
どこに焦点をあてて気持ちを絞ったらいいかが、わかんない。
でも、気になるところはいっぱいあるの(苦笑)


抱いていたイメージ通りだったところもありましたが、
それ以上に、いい意味で裏切られたことが多く、
益々気になるバンドになりました。People in the box
ライブ、非常によかったので、うれしいやら安心するやら。
単純に、うまい。
ベースがなじんで、もうちょっと落ち着いたらもっとよくなりそう。
今回は対バン形式のツアーだからか、アッパーな曲中心の選曲だったので、
もっと重たい曲も聞きたい。
ファーストのブリキの夜明けとか。
セカンドのバースデイとか。
ライブでやるとどうなるのか、すごく興味ある。
このままの世界観を維持していくの、すげえ大変だろうし、
年とともに難しくなっていくかもしれないなあ、とは思うけれど、
これから彼らが、どこまで行けるか、すごく見てみたいです。


そうそう、物販でタオル買って帰ろうとしたら、
物販ブースの横に所在なさげに、メンバー三人が立っておりまして(苦笑)
握手してもらったんだけど、
なんか・・・かわいらしい子らでした(苦笑)←おばさん目線(笑)

frog queen

frog queen


tacica
My Spaceで新譜「parallel park」を
チラッと聞いたことぐらいしかなくてですね・・・。
生で聞いた感想は、骨太で真っ直ぐなロックだなあ、と。
演奏もしっかりしているし、うまいので聞きごたえがありました。
歌詞はそんな突飛なことは言ってなくて、わかりやすいし、聞き易い。
発してる熱も、フロアを巻き込めるだけの熱さありましたしね。
ボーカルの子の声、一瞬バンプのフジくんっぽい、かも。
メロの感じも、なんとなく。
なんだろ・・・すごくちゃんとしてるバンドだなあ。と思った。うん。
北海道のバンドなので、MC聞いてるとすごい親近感がありました(笑)

parallel park

parallel park


いやあ。
来てよかったです。
なんかすごい収穫があった感じするわー。
正直、やばいパターンです(笑)
CD聞き込んでるバンドの、初めて行ったライブがすごく良いって・・・。
走っちゃいそうですよ(笑)
彼ら、すごい数ライブ打ってるので、
行こうと思えば、行けてしまうあたりが怖いですね(苦笑)
ここぞ、というところだけ行くようにしないと、
某バンドのライブ参加数のようになるぞ(笑)
なるべく自重しまーす(笑)