見上げる僕、見つめる君

祝☆スネオさんNEW SINGLE「ワルツ」発売!!
やっと聞けた〜!!
信じるなツアーん時はさわりだけしか聞けなかったし、
PVは見ていたけれど、やっぱりちゃんと音源で聞きたかったからねー。


新境地。
という言葉はきっと違うんだと思う。
ますます、「スネオヘアー」であることの純度が増している、というか。
奇を衒うような、別の方向、別の表現ではなく(もちろん音使いは驚くべき手際ですが)
だからといって内に入り込んでいくような近寄りがたさでもない。
スネオヘアーである渡辺健二のコアが、
薄まることなく、聞き手に伝播しやすくなってきている。
これはすごいことです。


ライブレポには以前、
スネオさんの曲は己の鏡を見ているようで辛い時がある。
近すぎて、自分の見たくない「暗」の部分をえぐられているようで。
そんな衝撃がいつもある。
なんて趣旨のことを書きましたが、
今回の曲は、タイトル「ワルツ」が示すとおり、
共鳴するというより、聞き手に寄り添うように、曲が存在している。
しかもチークのように、ぴったり密着するのではなく、
少し距離をおいて、手を引いてエスコートしてくれる。
・・・・少し先の、比較的明るい方に向かって。
そんな感じ。
突き刺すのではなく、すくい上げる、ような。
そうすることによって、聞き手の解釈の幅が格段に広くなった。
進むことへの広げ方、とでも言おうか。
そんなもん、相当強さがないと受け止められないのかもしれないけど、
自分が見ようとすれば、いくらでも見えてくるもんなのかもなあ。
そんな気にさせられる。
冴えない日常から、ふと前を向いたときに感じる、宙に浮くような開放感。
そんな楽曲に仕上がってます。


「半年以上くすぶらせてる、イメージに火を燈して」
「なんだっけ?失くしてしまったもの」「あれはそうね、いつだっけ?」
と、ハチクロの登場人物バリにグルグルしちゃってる想いも抱えたまんま、
優雅に円を描くワルツのように、傍から見ると結構素敵に人生は回って行く。
そんなこと言えちゃうなんて・・・なかなか言える事じゃあないですよ。
踊ってる本人は相当必死なんだよね。
なりふり構わずな感じでさ。
でも、ヒトとの係わり合いの中でもがいてるその姿はきっと、
ぶつかりそうなのにキレイにすり抜けていく舞踏会のように、
当人が思っているよりも素敵に軌跡を描いている。
・・・・そうだといいな。あたしの歩いてきた足跡も。


シュンちゃんのkeyが冴え渡っております!!素敵!
こんなにkeyが主導の楽曲は今までなかったのでは・・・・?
歌うキーボード!ストレートなメロディなのに、ややこやしいドラム!(苦笑)
めずらしく収録されている、インストVer、も楽しく聞いてます。
このアレンジ、相当好きです。
歌ナシでも全然OK!・・・・うそです(笑)。
けど、それくらい気持ちいいっす。


「ウグイス」→「ヒコウ」→「ワルツ」
スネオさん、ほんっと、春好きなんすね(苦笑)
いつもこの時期は、そわそわしたあったかい曲が多いですね。


そしてそして。
表題作はもちろんのことですが、衝撃的だったのはカップリング「空も忙しい」
100s池ちゃんプロデュース。ドラム素材はオカモト‘Mobyタクヤ(フロム スクービードゥ)。
と、スネオさんの本当を理解してくれているであろう、二人の協力のもとできあった作品。
これはちょっとすごいですよ。
客観性を加えると、スネオヘアーの楽曲はこんなにも美しいものだったのか。
ということを思い知らされる、池ちゃんのアレンジが冴え渡る、
すんばらしく振り切れた出来栄え。
聞いたことねえよ、こんな音。


何気ない日常にそっと存在している‘未来‘。
遠くや上を見上げずとも、暖かいものは「そこ」にある。
否定することは簡単だけど、よくよく見て、すくい上げて、大事にしてやれば、
もっと、心は安らかになれるのかも。
リクツなんて、その暖かさを見つけられることの足がかりでしかないのだろうな。
大きな流れはどうだっていい。
自分なりの流れの中のちょっとしたヒカリを見つけること。
ものすごく大変そうで、実はとても簡単な、前の向き方。
今居るところは、望もうと望むまいと、己で進んできたところなのだから、
否定することより、肯定した上で、何を見つけられるか。
受け入れて、受け止めて、その先を見る。
・・・・これが出来れば、もっともっと‘何か‘を見ることができるのだろうにな。

そう、いつも日常は、あたふたしたまま、過ぎていってしまう。
それでも。
そんな日常の、自分の目の高さにも、
あの青い空と同じくらいに、美しくて広い世界は広がっているのだ。


「大切にしている〜ふわり僕ら」
の繋がりの呼吸がもんのすごく素敵。
スネオさんの歌いまわしのいいところがめいっぱい抽出されてるような、
すんばらしいアレンジでござる。
上空の空気の流れのような、
細くたなびく白い雲のような。
吸い込まれそうな逆回転気味のOPといい、淡い音使いが、
地面と空、どんどん過ぎ去る時間とゆったりしているように見える時間との対比を、
見事に描いている。


はあ。いいわ。