行き場

harikona2010-10-10

[ライブレポ] スネオ 自由が丘

スネオヘアー

自由が丘女神祭り
自由が丘駅前特設ステージ
(フリーイベント)
10.10.10



いやあ、もう、その・・・なんだ。
いろいろ疑問はある(笑)
あるが・・・・、そんなこと、どうでもいいね。
スネオさんのうたがあれば。
そんな、当たり前のことを、
確かめに行ったような時間だった。





自由が丘・駅前商店街のイベント。
街をあげてのお祭り、なんですけど。歴史もそこそこあるみたいだし。
路地ではワゴンセールやったり、出店が出たり。
すれ違うのも大変な程の、すごい人出だった。


会場は、駅前ロータリー。
普段は自動車の往来がある場所を交通規制して広場にし、
そこに、トレーラーを持ってきて、ステージ代わりに。
ステージ前に簡易ベンチがいくつか。


どんなシチュエーションでも、うたを聞いてもらう機会があった方がいいと思う。
うたう場所を、選ばずにやってくださる姿勢も、素晴らしいと思う。
それより何より、
この日に、うたってくださるだけで、あたしにとっては、奇跡だった。
東京に行くことにしていた週末、しかも足がJRだったから、直前の変更もできて。
・・・・でも・・・・、
日程発表になった時点で、歓喜ととまどいが同量で噴出(笑)
さらに、
実際会場着いてみて、喜びよりも困惑の方が増す(苦笑)

こんなでして。
写真は地元の美容室組合のデモンストレーション中。
タイムスケジュール的には、この後マジックショウがあって、トリがスネオさん。


それはそれでいい。
お会いできれば、それだけで。
ただ、どうしても尋ねたくなってしまう。
・・・・何故、スネオさんだったのか。
・・・・疑問はつきないですがー。


位置取りをどうしたらいいのか判断できなかったので、
とりあえず2時間前に現着したんですが・・・。
状況見た瞬間に、
張らなくてもなんとかなりそうだな、と思ったので←ライブ狂いの経験値で(笑)
開演前までうろうろ・・・はしませんでした。もう、とにかく人が多くて(汗)
結局、退避したのが某大手中古CDショップ(笑)
ディグって荷物増やしたぐらいにして。


開演前、
簡易ベンチとステージとのスペースには、アスファルトに直に座ってるお客さん。
そして、立ち見のお客がそれらを取り囲むように十重二十重。
本当に、本当にすごい数の顔が、スネオさんを見に来ていたよ。
松江さんがツイッターで、ステージからの光景を上げてくださってました。
コメント書いてらっしゃるとおり、本番時はこれよりさらにすごい顔、顔、顔。
・・・単純に、すーーごい、うれしかったですね。
こんなにたくさんの人が興味持ってくれて、スネオさんのうた聞いてもらえる!って。


自分は、
やっぱり座ってるのは性に合わないので(苦笑)下手のベンチ脇におりました。


電車の発車ベル、警笛、線路のがたがたいう音、
エンリョなくしゃべってるお客、子供の泣き声・・・・。
普段、ライブハウスではあり得ない音が、あっちからもこっちからも(苦笑)


この日程だったからこそ、スネオさんに会えたっていう奇跡だけで十分なんです。
それにはものすごく感謝したいけれど・・・この状況に、正直負けそうで。
始まるまではどんな心持ちでいたらいいのかわからなかったし、
実際、場の空気含めどうなることかと思っていたんですが・・。


セッティング中、松江さん、ドラムのGENさん、そして、ご本人も、出入りしてらして。
いつもの茶のニット帽。
・・・ふふ。もう被らなくてもいいくらいに伸びてるのにね。
デニムにグレーのシャツ、白のシンプルなスニーカー。
うわー、やせたなあ。
7月に代官山でお会いしてから・・・三か月しか経ってないのに・・・。
ほんと、体重の増減激しすぎますって(苦笑)
お願いですから、体壊したりしないでくださいよう・・・。
・・・あ、あたしもがんばります(泣)


ステージ脇のスクリーンでは、
アブラクサスや荒川UB2のプロモ映像が流れて。


定刻。
商店街イベントにはつきものの、司会者からの型どおりの紹介コメント
(もう、あたしらにとってはこそばゆい言葉だらけ・苦笑)の後、スネオさん登場!


「どうも今晩は、スネオヘアーです!
・・・あのー、MCの方がしゃべってる間に、
ギターの松江くんがトイレに行きたいって、行っちゃいまして・・・しばしお待ちを・・。
電車の往来がすごいあるんで、電車が駅に止まってない時にうたって、
駅にいる時はうた止める、って感じでやっていこうと思いますんで・・・。
(松江さん申し訳なさそうに登場・笑)
お!ギターが帰ってまいりました!!ジュンマツエ!!
・・・初めてご覧になる方もいらっしゃると思いますけれど、
女神祭りに対して・・・曲が暗い傾向にありまして・・・、
元気にやれればいいんですけど・・・・。
では、改めてましてよろしくお願いします!スネオヘアーです!」


単純に地元のイベントを楽しんでらっしゃる方とか(赤子、犬連れ多し)
あたしの近くにいた子らなんかは、荒川UBのアニメファンの子だったり、
音楽ファンって感じの人じゃない人もたくさんいましたが、
おおむね、あたたかい空気だったように感じました。
客席のあちこちから声がかかってたんで、
スネオさん目当てで来てる人、かなりいたんじゃないかな。



<セットリスト>
hedphone music
スプリット
Over the river
逆様ブリッジ
やさしいうた
共犯者
バースデー
スカート
さらり
言いたいことはいつも



アコースティックセットの定番、という感じですね。
{ハレルヤ}やらなかったのは、ちょっと意外でしたが。



{hedphone music}
あらら。
リハって、あんまちゃんとできてないんですかね・・・。
ドラムのGENさん(northern bright)初めてお目にかかりましたが、
スネ&松江の二人と見事にかみあってない(苦笑)
すっごい素敵なミニドラムセットにツリーベル置いてて(松江さんのTL参照)
音もストーン!とすごい抜けてたんですけど、
キメとか締めとか、およよ?ってとこが結構あったり。


スネオさんも出だしはさすがに緊張感が・・・。
それでも、ライブ頻繁にやってるからか、うた自体には張りがあって。
それに、
アコースティックセットの時のスネオさんには、安心感があります。
こんな状況でさえ。


始まるまで、ちまちまといろんなこと考えていた、自分。
もう、なんだか、笑っちゃうくらい、
うたいだしたと同時に、
スネオさんのうた以外のことが、全部どうでもよくなってて。
うたの前に立つと、
ライブ会場での周囲の状況とか、ここまで抱えてた自分のわだかまりとか、
・・・スネオさんに対するファン特有のくだらない思いとか(苦笑)
そういういらないものが、全部、ぼんっ!って吹き飛ばされてなくなっちゃう。
ただ、スネオさんのうたと、自分だけになれる。
今日ほど、それを思い知った時間はなかったな。
この状況下だからこそ。
ここにこれて、本当によかったな・・・。
その声を聞きながら、うたってる姿を見つめながら、
ぼんやりだけど、ありがとうと、誰にともなく思ったよ。


とまどってる感覚をすり合わせることが、
この曲の間にできたような気が。


寄り添うミュージック。
心で感じて。


はは。
あたし、素直に笑えてる。



{スプリット}
「ああ!女神さまぁ!!」
と、唐突に叫ぶスネオさん(笑)
えーっと、藤島康介?ちがうね?(笑)
車掌さんの口真似もはさみつつ。
あと、演奏始める前に、「GENちゃん、だいじょうぶ?」って声かけてて。
おお、
サポートメンバーさんにステージ上で気を使っている!!と、新鮮な驚き(苦笑)
めずらしいですよね、スネオさんよりテンパり気味な人がいるって(笑)
ライブではご一緒するの初めて、ですもんね?・・・あたしが知らないだけ?
あ、ちなみに、GENさんって{会話}とか{happy end}とかの音源で
叩いてくだすってますよ。


ドラムがいつもと違うので、
おお、そこはそうなのかー、ええ!そこってそうか??とか(笑)
わたわたするのが楽しくもあり。
・・・それが楽しい、って言えちゃうのが、少し不思議な感じもしますけどね。
演奏が落ち着かないと、
以前のスネオさんなら、それにひっぱられちゃうようなところがあったのに、
今のスネオさんのうたには・・・揺るぎがない。
緊張もあるだろうに、
それを上回る程、
うたうこと、うたで想いを放つことに、迷いがない。


クラップも起こってて、たのしい雰囲気に。
あ、そうや、この曲ハチクロ(アニメ)のエンディングやんね。
聞いたことある人も多いだろう。そうだろう。


別れの瀬戸際に、さらにその先へ、とん、っと踏み出した感のあるこの曲。
失いたくないけど、もう、違う道が見えてしまっている。
抱え込んでる、と言いつつも、振りかえることはない。
お互いの行く末を、光あるものとして捉えてる、
このすっきりと、シュっとした疾走感、あくまでも軽やかに。


わあ、喉いい具合に鳴ってますねえ!
・・・でも・・・あれ?・・・ちょっと鼻声・・・?
あたしの気の所為??
屋外だし、肌寒いからかなぁ・・・。


{Over the river}
「自由が丘、よく飲みに来てるんですけど、
こんなロータリーの真ん中でうたっちゃっていいのかな?って思うんですけど。
・・・ありがとうございます!自由が丘!
雨降らなくてよかったですね・・・。
昨日すごい雨で、大丈夫かなって思ってたんすけど・・・。
雨降ったら、家から出ないつもりでいて・・・。
では、Over the riverという曲を聞いてください」


うはあ・・・。
スネオさん、とても大切にうたってらっしゃって・・・。
すーーっと、聞き惚れてました。


正直、驚きましたね。
三曲目、
ホームでも緊張感でまだほぐれてないタイミングなのに、
アウェイのこの状況下、
ちょっと前だったら、どうなっていたかしら・・・。


余計な感覚が削ぎ落されて、うただけになってる、スネオさん。
呼吸とか体温とかが、そのままうたに感じられるくらい、
・・・うたうことで、より解放されるような、自由になっている感じすら在りました。
いつもどこか、
少し不自由、というか、
自分に囚われすぎているような感じがあって、
・・・もっと、場を楽しんでしまえばいいのにな、と思っていたんですが。
今、この場で、こんなに開いてるスネオさんに会えるなんて・・・。


というより、
あたしが、ちょっと置いていかれてるような感じ・・・かな。
スネオさんは、
お会いする度に、少しずつだけれど、先の方へ進んでいるんですよね。
自分と戦って、うたをよりよく届けるために精一杯演ることによって、
ご自分の枷を、ちょっとずつ下ろしているような。



あたし、何やってんのかなって。
益々、枷を、自分で増やしてんじゃないかなって。



東京って川多いじゃないですか。
電車移動してると、いっぱいおっきな川を渡るんですよね。
そのたびに、このうたが頭に流れる。
それに、今日、この駅前ロータリーって場所、
この曲の折り返し地点みないなところじゃない?
彼女を駅まで送って、その帰り道に見える風景、というか。
子供の声も響いてたり。
この状況にぴったりだ。


形の無い毎日に暮れてゆく
平気なんだ(言い聞かせてるだけだけど)
忘れないんだ・・・忘れられるはずがないけどね


また、松江さんが、お見事でねえ。
コーラスも響き合っていて、とてもきれい。


{逆様ブリッジ}
丁度ね、スネオさんがうたい出した時に、
電車の発車ベルが鳴ったのが、すごい印象に残ってる。
似合いじゃん。
野外ってこういうのあるから楽しい。まるで示し合わせたかのように。
引力の強いうたは、事象まで巻き込む。


音源のギターロック!!なアレンジも大好きだけど、
アコースティックVerも、まったく違う味わいがあって、すごく好き。
BPMは遅くなってんのに、気持ちのイキオイはまったく削がれないし、
だからこそ、
言葉のひとつひとつを、語感や韻の余韻を確かめることができる。


バラバラになっても、その声を求めて、
さらさら流れてく毎日の中でも、辿り着くのは・・・・・。


スネオさんのうたってさあ、
どんなに強い光射すうたでも、
必ず別れと孤独の匂いがするんだよね。
どうしてなんだろう。
実生活の、どんな状況下でも必ず、
この方の側には、誰か分かち合ってくれる人が、いるのにね。


・・・・まあ、「孤独」って、
それだけでは、埋められないものではあるのだけれど。
埋まらないから、うたってるのだろうし。
だから、この方のうたに、こんなにも魅かれるんだろうな。
この方の孤は、相当に根深い。


・・・・欲が深いな。
自分も。


・・・・狂おしいほど相手を求める、
この「離れないで」が響けば、この曲は成立する。
ジョンの、あの曲を思い出します。


おや。
スネオさん、随分客席のこと見てますね。
うた中に目線が客席に行くなんて、今まであんまりなかったから、
ちょっと驚きました。
やっぱり、どんな人が来てたのか、どんな顔で聞いてくれてるのか、
気になったのかな。


{やさしいうた}
うたが随分と、いとおしいような慈しむような響きで。
あの頃を、というより、
過去になったすべての物事に対して、
郷愁のような、セピア色の感覚が向けられているような。


スネオさんって、びっくりするくらい「今」に生きている人で。
少し前のことすら、このうたの範疇に入っちゃうんだなって、
聞いてて、少し、悲しいような、さびしいような感じもしましたね。


なんていうのかな・・・。
スネオさんにとって、「忘れない」に向けられてる目線が、
二十歳とかそんな若い頃のものじゃなくて、
ほんの3カ月くらい前のことですら、「過去の記憶」になってしまうんだなって。
あたしも、記憶力、という点では、そんな誇れるようなものありませんけど、
忘れない、じゃなくて、
忘れられないものには、囚われてるところがあって。
そして、忘れたくないものには、異常に固執するタチなんですよね。


だから、
忘れることと、忘れたくないことの感覚が、
人と、かなり違う。


こんなにね、
うつくしく「思い出」には、できないんですよ。
いいことにも、いやなことにも、揺さぶられたことについては、
どうしても、しがみついてしまうから。


不思議と、あたしには、持っていたものを失ってしまった、という感覚がない。
良くも悪くも、全部持ってる気がします。
変質しているものはあるけれど、なくしてはいない。
あ、
一個あるな、無くしたもの。
自分の未来を、生きることへの情熱、かな。


スネオさんとは少し違う感覚で、あたしには今しかない。
スネオさんって、とても緩やかにだけれど、
ちゃんと、過去にできる人なんですよね。
でも、あたしにとっては、過去のものであるはずの記憶も、今なのだ。


今を、自分なりにきちんと生きている人は、
過去を振り返って懐かしいって気持ちに、なれるんだと思う。
あのころはよかった、という後ろ向きな想いではなくてね。


{共犯者}
この日はね、とても美しい月が、上空にかかっていました。
厚い雲間から朧な光が、街明かりに押されるように、
とても、さびしげに、それでも輝いていて。


この曲は、もう、何も考えてませんでした。
全部、スネオさんにあずけてたんで。


うたの世界を描き切るための、共犯者。


ちくしょー、かっこいいぜ、スネオさん。
・・・月の果てまで、連れてってもらいました。


{バースデー}
「ありがとうございます。
えー、今日福島から戻りまして。
映画で主演をやらせていただいたんですけれど、
何かこう・・・心にノックするような作品になってると思うんで、
アブラクサスの祭り」っていう映画で、
お坊さんの話なのに、クリスマス公開ですけど、是非、よろしくお願いします。


次にうたううたは、
いつか幸せになる、って、未来に想いを預けるんじゃなくて、
・・・思った瞬間の、気持ちから変わっていきたい、
変えた瞬間から、生まれ変われるんじゃないかって、想って作った曲です」


芯の太い、力強いうたいで。
自ずと、ギターのフレーズも強さを増す。
パキっと、張りがあって、刻みつけるようなバースデーで。
何度もライブで聴いているうたですけど、
このうたの違う面を見たように感じましたね。
今までは、
未来を見てはいるけれど、ビジョンがほのかに明るい感じで、
これから行くんだ、という、その決意のうただったように思うんですが、
今日のは・・・・、
確実に、一歩を踏み出しているような、動き出したような感覚があって。
ああ、
スネオさんは、もう次に進んでいるんだなって、思いました。
生まれ変われるんじゃないか、という、
裏付けがなくても、不確かでも、頼りなくても、
その想いを力にして、前に進んでいる、感じ。


個人的な話なんですが、
10月が誕生月でして、しかも、かなり近い日なんですよ。
だから、もう、この瞬間に、このうたを聞けただけで・・・報われたなあ。


正直、歌詞はね、
受け止めきれてないし、目をそらしてばかりだし、
気持ちを変えるには、まだまだ時間がかかりそうだし、
その手に、しがみつくことすらままならないので、
・・・・聞くの、辛いんですけど。
フェイクだらけなんで。未来への想いだけじゃなくて。


・・・・でも、この日はね、
立ち尽くしてるあたしの手を、ちょっと無理やりにでも、
ぐいって引っ張ってくださってるような、そんな気がしました。
まあ、欲目ですけど。


泣くのこらえながら、頭を垂れるしかない。
・・・・ありがとうございます。
が、がんばりたいです・・・。


{スカート}
荒川アンダーザブリッジっていうアニメがですね・・・
たまたま今日放送なのかな?
僕見たことないんでちょっとわかんないですけど、
エンディングテーマをやらせてもらってまして、あの{赤いコート}っていう。
今日は練習してないんでやりませんけど、
12月8日に発売になりますんで、よろしくお願いします!
あと、明日、J-waveの特番に出るんですけど、
9時間ぐらい拘束されて、番組内で曲を作るっていう無茶な話で・・・酷いだろ?!
電波が入るようだったら、是非聞いていただきたい。
(ここでJ-waveのキャッチの歌真似)


・・・暗い曲が続きます」


暗いって言わなくていいから(笑)
っていうか、この曲は暗くないだろうが(笑)


こうやって聞いていると、
スネオさんの心の変化がよくわかるなあ。
痛みや悲しみや、苦悩や葛藤や、どうしようもない気持ちに対して、
以前なら、押さえつけたり、突き刺したり、攻撃的に追いこんでいたのに、
今は、それらの感情を、覚悟とともに、自らで抱きしめている。
なかなか、出来ることじゃあないです。
実生活ではどうかはわかりませんけれど、
うたに託している想いは、より明るい方へ、向いているようで。


歳を重ねるって、悪くないですよね。
あたしも、今はまだ模索してる最中ですし、
今後、いつこの見えない状況が明けるか・・・まだわからないけれど、
今、こうして生きていられることは、全部ひっくるめて、悪くない。
それは、ホントに思う。


ここに、こうやって立って、直にスネオさんのうたを聞けるなんて、
何万という偶然が折り重なって、生まれてる奇跡みたいなもんなんですよね。
大げさじゃないです。
明日生きてる補償はないから。


この曲の、スカートを遊ばせる風のような、
甘い香りが穏やかに吹き抜ける速度が好きだ。


夜の先に朝と闇が同時にあり、
不安も恐れも抱えたまま、さらにその先へと、行こうとするこの確かな足取り。


よい、うたですね。



{さらり}
よもや、こういうイベントでうたうとは、
・・・・夢にも思っていなかったので。



このうたに関しては、
感想を述べるとか、現場の状況説明とか、一切できません。
・・・今の自分自身に、あまりに近すぎるんですよ。


正と負、
明と暗、
生と死、
喜と哀、
無常な時間と差しのべる手のぬくもり、
全部ない交ぜになった、判別できない涙が、ただ零れ落ちる。


あたしは、まだ、
自分の足元を見失ったまま、置いていかないで、って、泣き叫ぶことしかできない。


このうたを、
少し距離を置いて聞けるようになることが、目下の目標、かな。
何年かかるかな。
ひょっとしたら、一生、泣きながら聞くかもしれない。


もう、うたってくだすったことだけで、十分です。
そこで、うたっていてくれることが、どんなに心の支えになっているか。
・・・・少し前を、歩いてくださっているだけで。


しがみつかないようにしないとね、いけないんですけど。
あまり、想いをあずけてはいけないとは、思うんですが。



{言いたいことはいつも}
「あと一曲しかうたえるうたがないので、それをうたって、帰ります。
今日はどうもありがとうございました!」


アルバムVer.
松江さんと「長めのバージョンで」と、打ち合わせてから。


ところがだ。
野外ならでは、というか、
フリーイベントだからこそ、とでもいうようなことが、最後の最後で起こります。
ステージ裏から・・・言い争ってるような声がガンガン響いててですね。
さすがのスネオさんも苦笑しちゃうくらい派手に(苦笑)


会場のお客様も、
ここまでは、あたたかさとほどよい緊張感を持って聞いていてくださったのですけど、
あちゃーーーって、困ったような空気が(笑)
あたしも思わす笑っちゃいました。
まま、これもご愛敬。



「ありがとうございました!スネオヘアーでした!!」






いやあ。
もう、なんだかいろんなことが、1時間の間にめまぐるしく起こりましたが(苦笑)
とても濃密な時間だったと思います。
こちらの勝手な思い込みも含めて。


正直、フリーイベントの空気感の中で、
どれだけの集中力を自分が持てるのか、
スネオさんの心持が、どういうベクトルで表れるのか、
スネオさんを知らないお客様が、どういう受け止め方をなさるのか、
・・・不安の方が大きかったのですが・・・。
もうね、今のスネオさんは、「うた」に関しては揺るぎないです。
弾き語りに近いアコースティックという形態が、合ってるのかもしれません。
例え、サポートの方が多少ぎこちなくても、
放ちたい「想い」の方が、形よりも強いから、まっすぐに、うたが響いていて。
そして、それは、聞き手に、ちゃんと伝わっている。
・・・とてもね、いいライブでした。





そんなスネオさんを見ていて、
しっかりしなきゃって・・・・ぼんやりと思って。
甘えちゃいけない。
置いてかれないように、あたしも、歩いていかないと。



ホント、ファンって立場は勝手だなって、自分で思う。
揺らいでると、もっと自信もっていいのになって言うくせに、
ゆるぎないと、置いていかれるようで不安で。
全部、自分の所為なんだが。
それを、相手に求めちゃいかん。


帰りの電車の車中、放心状態でしたね。
解放し過ぎて、収集つかなくなってた。
泣いてたかもしれない。
覚えてない。






スネオさんと出会って、もう随分になりますが、
自分にとって、
スネオさんのうたは、好きとかそういう域を超えた存在なんですよね。
拠り所、とでもいうか。


それを確信したのは{フォーク}を聞いた時。
・・・歌詞に書かれたものが、私そのものだったから。


スネオさんは、ご自身のことを身を切るような想いをこめてうたっているだけなので、
こちらの勝手な思い込みなんですけど。
でも、
考え方が近い、とか、共感できる、程度のうたは数々ありましたが、
あたしにとって、そんなレベルの近さじゃないんです。スネオさんのうたは。


この人のうたは、
あたしの根底に、限りなく近い響きを持ってる。
まるで、鏡のように。
そして、
その鏡に映った自分を見て、
あたしは、あたし自身を、まだ容認できてはいない、という事実を突きつけられるのです。
うたを聞いて、自分自身に恐怖するなんて、
今までになかったことで。


音楽に対して、そういうものを、求めていた訳ではないんです。
単純に、音楽聞くの大好きだし、ライブ行くの楽しいなって、
楽しみとしてのツールのひとつだったんですが。
・・・・出会ってしまった。


あ、誤解のないように念のため書きますが、
スネオさんのライブは楽しいですよ?(苦笑)
・・・・こんな痛い思い入れしてんの、あたしぐらいでしょうし。
何せねえ、この方の紡ぐうたの美しさは、並大抵のもんじゃないっすよ。
生で聞いてごらんなさい!って、ファンの欲目ではなくて、声を大にして言いますとも。
他の追随を許さないMCも込みで(笑)


まあ、好き過ぎるんでしょうね(苦笑)
意識が過剰だなあ。





話それましたが、
このタイミングで、スネオさんのうた聞けて、ほんっとにうれしかった。
力強い、やさしさのある、とても素敵なライブだったと思います。