ポツネン氏の庭 札幌


「ポツネン氏の庭〜 The spot garden of Mr.Potsunen 〜」
作・演出・出演/小林賢太郎
2009.12.19
@札幌 cube garden


そうね。
普段バンドでやってるボーカルが、
アコギ一本でアコースティックライブを、カフェとかでやってる感じかなー。


スクリーンもなし、大きなセットもなし、衣装や音楽は既存のもの。
あるのは、舞台と、小さな棚と、それに収納されたいくつかの小道具、
そして、いつもの出で立ちのケンタロさんだけ。
実にシンプル。


もともと、ポツネンシリーズって、
ハンドマイムとか、影絵とか、アナグラムとか、手品とか、
ちっちゃーーーい驚きを、美しく飾って見せる、という感じだから、
今回の庭は、
ホントの根っこだけを、はい、どうぞって見せてもらったみたいな感覚。


多分、ケンタロさんが、
はた、と思いついたネタを、
早く反応が知りたくて、近くにいるスタッフさんたちに、
「こんな感じ」と、見せてるんじゃないかなあ、なんて思うような近しさ、
そして、
一切隙を見せない、細部まで計算されつくされた通常の公演ではあまり感じられない、
小林賢太郎という「人」のぬくもりが伝わってくるような、
まさにハンドメイド、な作品だったと思います。


転換中(といっても、暗転すらしない時もありましたが)に、
先ほどのネタのネタばらしをしたり(!)
小道具作製のエピソードを話してくれたり、
お客さんいじりをしたり、
ネタの最中でも、急に違う話を始めたり(笑)
本当に思いつきで、ポロっと笑いを取ったり、
(普段の公演では思いつきの「ように」見せているネタだったりしますから)
と、とても自由。


とはいえ、
膨大な知識量、それを場の空気に合わせてチョイスするセンス、
先の先の先まで準備されている、ストーリーの構築の仕方の、美しさ。
指先の器用さは、本職顔負け。
相変わらずの見事なまでの、作品の数々。


思う壺がつぶやくネタで、
「面堂終太郎がこういうタコ飼ってたよね?(笑)」
と、肩に乗せた瞬間に、大吟醸が浮かんだ(苦笑)


以前どこかで聞いたことがある(笑)ことわざを、
オチに至るまで、いくつかの工程に分けてみたり
(手書きフリップのみで後ろまで伝わるのは、このハコならでは)


魂師の加藤くんのネタは、続編が見たいです。是非。
ってか、まっくろくろすけって、もののたましいが野良化したやつだったのか・・・(笑)


カーテンコールも、随分楽しげになんでもない話をしてくれたり(笑)



わかってたことではあるんですけど、
ケンタロさんって、本当に「笑わせたり、驚かせるのが好き」なんだなあって、
改めて思い知らされた気がします。
そして、
「笑わせたり、驚かせたりしている時が、一番幸せで楽しい」んだろうなあって。
生来のコント師、なんですなあ・・・。



大変貴重な、そしてとっても楽しい時間でした。
いやー、ホント楽しかった。


また、これくらいの規模の、肩の力が抜けた公演、やってくれるといいな。

Kentaro Kobayashi Solo Performance Live Potsunen 2008 『DROP』 [DVD]

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久しぶりに、ラー好きの友達にも会えたし、
タワレコで、やっと、長崎のトム・ヨーク(笑)のCDも買えたし、
のんびりおいしいものも食べられたし、
日帰りだったけど、いい旅でした〜。