出会いの必然

harikona2009-01-29

星の数ほどもある
音楽の中から、
自分の一生のうちで、
心から大事だと思えるうたに
出会える確率は、
とても低い。


人間が誕生し、
文明的なものを
獲得したと思われる
あたりから数えて4000年。
クラシックと呼ばれる音楽が
生まれて2500年。
雅楽が中国から渡り、
日本のものとして
奏でられるようになって800年。
ブルースが必然に迫られて産声を上げたのが100年前。
ロックが生まれて60年。
数えきれないほどの曲が生まれ、演奏され、
たくさんの人の心を動かし、救い、歴史を築いてきた。


あたしの人生、たかだか33年。
広く浅く聞くことができない性格で、
出会ったミュージシャンの曲は、
それこそ、溝が擦り切れるまで、テープが伸びるまで、何度も、
さらに、一曲も逃さず聞くことで、深く知ろうとするのが、常。
そんな聞き方だから、当然、数的には、
そんなにたくさん、聞けている訳ではない。


でもさ。
音楽って、いっぱい聞けばいいってもんじゃないと。
数じゃないと思うんだよね。
音楽を生業にしてる人ってさ、
自分の命削って、作品、文字通り「生み出し」ているんだから、
その命のカケラと向き合うには、
それなりの、覚悟がいると思うんですよ。
出会ったからには、とことんまで、付き合うのが、礼儀だと思う。


・・・重いっすか?
でもさ、
感じる力と考える心、失ったら、人間、進歩しねえと思うんだよ。
なぜこのうたが生まれたのか?
ここから、何が、生まれていくのか?
どっちも大事だと思うんなら、
こういうことに、ならざるを得ない。


こんな、面倒くせえあたしが、
初見で、心を、ガツン、と揺さぶられた、うた。
出会ってしまった。
そんな、うた、に。


今日のライブ、アンコールでうたってくれた、うた。
去年のライジングで、うたってくれた、あのうた。
まだ音源にはなっていない、
その場に鳴っている、そのうただけで、
あたしの、悲鳴を上げる寸前のココロを、
大丈夫だよ、って、笑顔でなでてくれた、とても大きな、あたたかいうた。


大切な人を想うやさしさと、世の中を見つめるまっすぐな視線と、
・・・・両方を抱きしめてあまりある、大きな愛。
人は、こんなにまで、誰かを思いやることができるのか。
なんと、なんと、あたたかいうたなのだろう。


ああ、
あたしの耳は、ちゃんと聞こえている。
あたしの心は、ちゃんと見えている。
よかった。本当によかった。
みーちゃんのうたに出会えて。
このうたに、出会えて。
このうたを、感じることができて。


これだけで、
この瞬間だけで、
今日は、とても幸せだった。

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