壁をぶちぬいた窓

彼らの音に求めているものは、
激しさというより、
生きるための強さであり、
楽しさというより、
信頼が生む調和なのだろうと想う。


ホリエがいて、
シンペイとひなっちとおじぇいがいて、
スタッフが居てくれれば、なんの問題もない。


自分は、
生きることに固執してはいないし、
できれば、全部任せてぼんやりしていたい。
何も残さず、出来うるだけ早く消えたい。
小さい頃から、変わらずこう意識していた。


でも、
自分が生きていれば、救える命があるかもしれない、と考えるようになってから、
有事への向き合い方が変わった。
大事だと想うひとを救うために、使える力が必要ならば。
未来への糧になるひとを救うことができるならば。
まず、自分が五体満足に生きねば、と。


そこへゆくのは、自分の為だし自分が行きたいからだけれど、
その空間に自分というピースが填められることで、
何かが起こる引き金になるかもしれない。
よいかわるいか。
すべては不確定であり、確信に変わるはいつも事後。
ひととは、その程度の微かな存在であり、
その程度の存在は、この惑星を、この生命の理を、
誰も本当に読み解いてはいないし、
変えられる・変えられないの分岐点も、知るすべは、多分永遠に訪れない。
だが、確実に、その分岐点を、己の意志によって踏み越えているのだ。


だから、ただ、祈り願う。
自分が選択した結果、そのひとらに、よきことがおとずれますように。
そして、感謝する。
自分の存在が、悪影響とならなかったことに。


大きなことを、直接話したこともないひとに背負わせるのは、
酷だし失礼なことだと重々承知ではありますが。
ストレイテナーは、
何か、とても大切なきっかけを気付かせるための役回りを、
担ってしまったカタマリなのだと、想うのです。


誰かを守るために・・・どうすべきか、
成したいことを成すために、すべきことは何か。
それを、
考える気付きと先への目線をくれるひとたちなのだと。
提示されるのは、想いの結実した姿、願いの先、なのです。
それが、
自分を確かめることや、安らぎを得ることに繋がって行く。


やはり、ひととひとの繋がりは、あたたかくて強いなと。認めざるを得ない。


武道館へ向けての、セットリスト投票を毎日していて、
改めてインディーズ時代から最新作までを聞き直して、
私が彼らに見せてもらっていた風景は、
過去を咀嚼し、逃れられず抗えないものをも取り込んだ現在であり、
その現在を踏まえ、見据えた先に、辿り着けるはずの確かな未来なのだと。
そして、
それを、言い切る潔さ。
ホリエの言いたいことがまったくブレていないことに、
・・・ここまで彼らにこだわる理由を見たきがいたします。


彼らの行く先が、何か・・・未知なるものであるのに、
親しく知っているような・・・そんな感覚なのです。
日常に埋没し、見失いそうになる己を、呼び覚ますノックと、
意志の持つ強さの、描ける未来を。


このアルバムが出た時は、自分はこんなだった。
あの時のツアーでは、あんなことがあった。
このうたが見せた景色が、噛み合った瞬間の高まりが・・・。
共に過ごした時間の大切さ。
常にそこにある、確かさ。


{WHITE ROOM BLACK STAR}から始まった、彼らとの絆。

THE REMAINS

THE REMAINS

今も、変わらない姿勢で鳴らしてくれていることへ、絶大なる感謝を。
受け止めることが出来るように、
これからも、自問自答と、動くための瞬発力を鍛えることを忘れない努力を。


武道館まで、あと2週間。
研ぎ澄まして行こう。