時と河

体温より少し低いくらいのお湯を湯船にはって、
肩までつかって目を閉じると、お湯と皮膚の境目がわからなくなる。
触覚が消失する。
なんて心地よい。

Entish

Entish


やあ。ひさしぶり。
と、おいしそうな果物を携えて訪ねてきた彼は、
あたたかいお茶を飲みながら、
昨日見た映画の話や、今日の天気の話や、
少し悲しい出来事や、
旅の途中で見た風景や、出会った笑顔や、
思いつくままにとりとめのない話を穏やかにして、
じゃあ、またね、と次の場所へ出かけていった。


笑顔で見送って、部屋の中を振り返ると、
テーブルの上に、
枯れない花が、一輪、ふわんと良い香りを漂わせて凛と鮮やかに咲いていた。
彼が置いていったらしい。


良い香りに包まれて、今日は良く眠れそうだ。


今度会う時は、どんな話をしようか。
あたたかい笑顔で、迎えられるように。





自分にとって支えになってくれる音楽家の作品は、
じっくり向き合って、
深く深く想いを巡らせてからでないと、
言葉にすることができないのが常なのですが、
不思議と、するするっとこんな感想が生まれました。



音像はたくさんの質感や色のものが飛び交っているし、
表情もとても豊かで、絶妙なバランスで響き合っているけれど、
温度感は驚くほど一定。
フラットなありのままのホリエが、そこにいるような気がしました。


素晴らしい作品だと思います。


ライブを見たいです。
直にこの作品を、体現しているホリエが見たい。
そして、おじぇいがどんな色を添えるのかを、確かめたい。



なお、聞く時はヘッドフォン推奨です。
できればより良い再生機器で。