夢のような現実

harikona2009-08-23

東京までの車中、
「Headphone Magic」から
オリハルコン日和」まで、
ぶっとおしでじっくり聞いた。


ボノとは、
たまたまスペシャで流れた
{THANK YOU〜}で
射抜かれてからの付き合い。


楽曲もさることながら、
一番耳を奪われたのは、
蔡くんの、歌声。
こんなにあたたかくて、やさしいのに、
凛とした強さのある声、聞いたことなかった。
それから、
「electlyric」を狂ったように聞いて。
すっごいライブ行きたかったのに、
電子行脚のツアーには間に合わなくて。
ようやく行けた、初めてライブは、あ、うんツアーの仙台。
もうもう、楽し過ぎて、あの時のことは、めいっぱい覚えてる。
曲のイメージとMCのギャップが衝撃的で(笑)
まあ、それはオマケとして(苦笑)
ココロのそこから幸せな気持ちになれるライブは、
このバンドにしか、出せない空気感で。
初めて、楽し過ぎることが幸せで泣ける、という体験をした。



それから、
随分とライブには通うようになってしまいましたねえ(苦笑)
このバンドの魅力はねえ、
なんといっても、その人柄。
もちろん、楽曲がステキ過ぎるから、聞きに行くんですけど、
メンバーみんな、すごく、人としての魅力があるので、
彼らに会いたい、っていう気持ちが、すごく強い。
この5人に、会いたくて、会いに行ってるような感じなの。
これは、他のバンドにはないものですね。


ワンマンはもちろん、
イベントも、いろんなバンドとの対バンも、
楽しくなかったことなんか、一度もなくて。



それはね、
コジロヲが、いなくなっちゃっても、変わるものではないと、思ってた。



さんざん悩んで、いっぱい苦しい思いをして、
下した決断だから、
私らがとやかく言えることではない、とは、頭ではわかっていたけれど。


それに、
実は、
なんとなく、
予感は、
底の底には、あったような気も、します、し。


でも、
やっぱりね。
コジロヲが作って、蔡くんが歌う曲たちの、あのまばゆいばかりの素晴らしさを、
身に沁みてわかっているから、
・・・・ものすごい、辛くて。


今年2月のリキッドのバレンタインロックは・・・・、
きっと、演奏する方も大変だったと思うけれど、
そこに居ない、という事実を、突き付けられたようで、
ボノのライブで、初めて、
・・・・そこに居るのが、音を聞くのがつらくて。
ぽっかりそこだけ、穴があいちゃってるような気がしてね。


わかってるつもりで、
覚悟決めたつもりで、
4人のボノを、ちゃんと受け止めるつもりで、行ってたんだけど。


コジロヲの、音がしない{THANK YOU〜}は、まるで別もので。
メンバーも、
ステージ上での勝手がわからない、みたいな戸惑いがあるように感じられて・・・。
この時に、初めて生で{GOLD}を聞いたんだけど・・・・。
そんな状況だったから、この時は、コジロヲのことにしか聞こえなくて。
涙、止まんなくてさ。



オリジナルアルバムも随分御無沙汰だったし、
レーベル移籍したり、事務所抜けたり・・・・・。
いろんなことがいっぺんに重なった感じで。



bonobos、いったいどうなっちゃうんだろうって、
この時ばかりは、不安になった。



こちらの勝手な想いですけれど、
この人たちの音だけは、・・・・・変わらずにいてほしい、
・・・・失いたくないのに、って。



人なんだから、
変わっていって当たり前なんだけれど、
そこだけは、変わらないでいてほしいっていう、
このバンドの「根っこ」まで、揺らいでいるんじゃないかって。



けど。



ちゃんと、4人は、答えをくれた。



オリハルコン日和」

オリハルコン日和

オリハルコン日和



蔡くんは、
うたを紡いで、それをうたうことが、与えられた役割の人なんだなって、
改めて思い知らされた気がした。
そして、
ボノの「つながり」は、とてもとても、強くて深いものだった。
なっちゃん、辻くん、松井くん。
そして、
手伝ってくれた、たくさんの人たち。
みんな、みんな、bonobosを、とっても大事にしていて、
そのために、一生懸命楽しんでいて。


その様が、
とても、素敵で、愛おしくて、美しくて。



つながりが鳴らす音。



それが、ボノの、一番素晴らしいところだと、思う。




よもや、私が生まれ育った街で、みんなに会えるなんて、思ってもいなかった、
初めての函館でのライブ。
錬金術師ツアー初日の札幌。
つい先日の、ライジングでの幸福な時間。



出会えてよかったなって、心から思えるライブばかりで。



それを経た上での、昨日の野音



あそこって、
すごく気まぐれな音の精霊が住んでるみたいで(苦笑)
奏でる側と、受ける側を、ものすごい密度でつないでくれる時と、
完全に突き放しちゃう時とある気がするのよね(笑)


まあ、
いろいろあったよ。
あそこではさ(苦笑)


でも、
昨日はね、完全に前者でした。



なんだろう。
なんとも言い難い、
ものすごい磁場が、生まれてたような気がします。
楽しいだけじゃ、済まされない。
うれしいって言葉だけじゃ、物足りない。
感動、とも、違う気がする。
いろんな方向に、一気に魂が揺さぶられる、めまぐるしさもありながら、
とても、穏やかで。


大地と、人と、空と、その向こうが、
すべて、繋がっている様が、目の前に現れたような。



肌を焦がすような太陽の熱と、
降るような蝉時雨、
それらを和らげるように、時折吹く夕凪と、
漆黒の、闇。
その隙間に、ほのかに瞬く、星の光。



風にたゆたう、照明の明かりとセット。
上手から、反時計回りに、
辻くん、なっちゃん、ホーン隊、HAKAE-SUN、木暮さん、松井くんと、
蔡くんを周囲から守るように配置された位置から、響きわたる、皆の旋律。



何より、蔡くんの、うたが。
この場に、
あるべき形で、鳴り響いていた。
何もかもに、望まれたカタチで。




あの場に、いることができて、
本当によかった。




運命なんて、信じない。
信じてるのは、あなたとの、日々の暮らし。
それだけ。