100s「百来来!!!!!!」札幌

harikona2007-07-15

100s
「Tour 2007 百来来!!!!!!」
@札幌ペニーレーン24
07.7.15


ネタバレっつうか。
もうレポと呼べるものではありません。
己の葛藤を吐露してるだけのような文章ですから。





帯広ビークル×ボノの翌日。
JRスーパーおおぞらに揺られ,一路札幌へ。
道中「OZ」→「ALL!!!!!!」と通して聞いていたら,
とてもとても長い旅をしているような気分になった。


駅で友人と落ち合い,
日中ご飯を食べたり,ぷらぷらしたりしていたのだが,
完全に心ここに在らず。
緊張のし過ぎでどうにかなりそうだった。
100sには,思い入れがありすぎるので,
彼らと対峙するのは,
とてもうれしい反面,ものすごい覚悟が伴う。
彼らは、いつもすべてで、表現をしてくれる。
もちろん、自分も中途半端な気持ちではライブに臨んでいないけれど、
人間としてできていない自分が,責められているような気持ちになるからだ。
単純に、自分が自分の生き方にまだ納得がいってないだけなのだが。
だから正直,聞くのは辛いし,
彼ら・・・カズくんの目を見るのは,とても怖い。
全部,見透かされているからだ。
でも,
今回のALL!!!!!!を聞いた時,
そういう気持ちのまま,彼らの前に立つのはやめようと,
心に誓った。
後悔の涙はなるべく見せないぞ,と。
あのOZを経た上で,「開く」方向へエネルギーが向かっているアルバムだったし,
「個々」だった意識が「共に」と手を差し伸べてくれているようだったから。
そう,とてもあたたかい,血の通ったアルバムだと思ったんだ。
・・・まあ,OZとは表現の仕方が違っているので,
比べるのは違うんでしょうけれど。


駄目な自分,で止まっている場合じゃない。
共に同じ空間を分かち合える貴重な時間なのだから,
自分の殻に篭もってしまうことだけは,避けたかった。
OZの時は,自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって,
ほとんど何が起こっていたかを覚えていなくて,
くやしい思いをしたので。


ステージ上,
ALL!!!!!!ジャケットと同じデザインの大きな幕がかかり,
チャイナ風の丸提灯が4個くらい,あちこちとぶら下がっている。
鍵盤前にはキュートな龍のクラフト。


立ち位置をどこにしようか,と,
友人とさんざん迷っていたのですが。
まっちぃ側か,小野ちゃん側か・・・。
あたしはトムくんとヒロくんが見えるなら,どこでもいいけど,
カズくんの正面に行く勇気はないなあ,なんて。
ところが,友人が選んだのは,カズくん真正面の2列目!!
ええ??マジで!!!と狼狽える私に,友人の一言。
「この場所があたしを呼んだ」(笑)
うそお・・・・,これは・・・・,胃が痛いよ?(泣)
中村一義の眼光をこんな間近で浴びたら,
あたしなんか焦げて無くなっちゃうよう・・・。
・・・カズはマグマ大使か?(笑)


はな曇りで,日の光は見えませんでしたが,
気温が丁度よくて,過ごしやすい気候でした。


<セットリスト>
SE ゴー・ウエスト(ザ・ドリフターズ
そうさ世界は
希望
バーストレイン
なあ、未来。
MC
シンガロング
Honeycom.ware
Q&A
A
まんまる
MC
あの荒野に花束を
つたえるよ
蘇州夜曲
ももとせ
もしこのまま


EN
MC
犬と猫(中村一義
クラシック(町田昌弘)
Good Bye ちょんまげ(レキシ)
いきるもの


EN
キャノンボール


蘇州夜曲(李香蘭




スタンディングライブにはめずらしい,
注意事項のアナウンスの後,
西遊記のテーマ「ゴー・ウエスト」にのって,とうとうメンバー登場!!
ゴダイゴでも,アニメ主題歌でもなく,
ドリフを選んだ辺りが,彼ららしいですね(笑)
カズ三蔵と彼を守り、戦いながらも楽しく旅する、5人の勇者たち。なんちって。
ってか、歌える自分もどうなんだ?・・・ああ、同年代さっっ!(笑)
カズくんの手に、孫悟空のフィギュアが(DBではなく,手塚版だったような?)
まっちぃのギターアンプの上にはブルース・リー
最初見たときケンシロウかと思った(笑)
100sライブ,初めてじゃないのに,
うわああ・・・ホンモノだあああ・・・とやっぱり思っちゃう自分(笑)
どんだけ好きなんだか(苦笑)・・・や、・・・好きとは違うかなー。
恐れ。かも(泣)
でも,今思えば,前回は100sのライブを見た,というより,
OZという作品の世界を体感しにいっていた感じだったものなあ。
目の前で起きている事が、あまりにも凄まじくて、
楽しむ余裕は,OZ(神戸)もOZ#(札幌)も,まったくなかったしね。
今日こそは。
バンドたる100sを、感じたい。


カズくんは赤のチェックのシャツに・・・確かツアーTのALL白の方。
でもラグランだったような気がしたので、スタッフONLYなのかも。
まっちぃは白地に薄いピンクのストライプの入ったシャツ。
トムくんは黄色(ツアーT?),小野ちゃんは白地にブルーのプリントが入ったTシャツ。
ヒロくんはいつものごとく,全身黒。半袖。
池ちゃんも黄色のTシャツだった・・・ような。ハーフパンツだった。


近くで彼らを感じて,初めて気がついたこと。
なんて綺麗なオーラが出てる人たちなんだろう!!
や,あのー,某方のように見えるわけではないんですよ?(苦笑)
見えるわけではないんだけど,
同じ人間と思えないような,澄んだ風がステージ上にながれてる。
きっと、音楽という武器で、自分の全部を鳴らせてるから、
この場に立つ事に、なんの気負いも衒いも虚飾もないから、なんだろうな。
まっさらなんだ。
そして,カズくんの目。
なんて綺麗なんだろう・・・。



「そうさ世界は」
鍵盤の上に立ってお客を煽る池ちゃん。
カズくんの「いくよッ!!」という気合の声から。
そうそう!やっぱりこの曲で始まってくれなきゃ!!
OZから約二年。
その間,お互いが生きてきた時間をつなぐ「で」
聞いた瞬間,鳥肌がたった。
そして,あたしの中で,何かかプツンと音を立てて,切れた。
よし!今日は力一杯,食らいついていこう!
後悔と反省は,
後で存分にすればいい。
今日はあたしの中のくすぶってるもの,全部,ぶちまける!


前回札幌OZ#の時,客席が随分構えてて,
(なにせ、中村一義初北海道ライブ、だったしねえ)
今日はいったいどうなることか、と、思っていたのですが,
同じ土地でやってるのか??と目を疑うほどに,
爆発的な盛り上がりの本日のオーディエンス!!
待ってた期間が長かった所為か・・・・。
いや,やっぱり今回のアルバムの所為でしょうね。きっと。
アルバムの持ってる熱がすごかったし,
それ以上の熱量がメンバーから発せられてたから。
客席も遠慮なくぶつかっていってたんだと思う。
だって!この音!!!
なんて、力強いんだ!!!
理屈うんぬんの前に、この音に、体が飲み込まれる。
このバンド・・・やっぱりハンパなくすげえ!!
大合唱でカズくんの声が全然聞こえねえ!


いよいよ,始まった!!


「希望」
ちゅうかね、
もう100sの音が聞ける、メンバーが目の前で演奏してる、
カズくんがそこにいるってだけで、
もううれしくってうれしくって、
気持の針が振り切れちゃったね、ここで(苦笑)


歌い手さんっていろんなタイプの人がいるけれど,
カズくんのうたは意志そのものですね。
歌がうまいとか,声がどうの,というレペルではない。
もちろん、ものすごい表現力あるからこうやって心に響くし、
唯一無二の声の持ち主ですけども。
そういうことではなくて、
彼から発せられるすべてが,意志となって伝わってくる。
しかも,一言一句,全身全霊。
魂ごと,想いをかけて、彼の持ち得るすべてで、歌っているのが、
受け手のこちら側の六感すべてて感じられる。
どうして、こんな存在でいられるんだろう???
言いたいことも、伝える術も、全部が混じりけのない意志で貫かれている。
・・・ああ、でも、きっと答えは簡単なんだ。
ただ、そこまでたどり着くのは、並大抵のことではない。
・・・・それがわかるから、圧倒されるし、
受け取るのも、容易ではなんですよおお!!(泣)
・・・ハイ!すいません!愚痴らないです!!(苦笑)
既に2曲目で負けそう・・・・。
いやいやいや!今日は負けねえ!
あたしの31年間。全部ぶちまけてやる!!


♪手に触れるまで。〜♪
でテノヒラを大きく広げるカズくんとオーディエンス。
かざすその先は、同じ、あの場所。


まっちぃのフレーズが、まるで雲を突き抜ける光のように煌めく。
それを押し上げるように、ヒロくんが唸る。
それよりなにより!!!!トムくん!!
なんか益々芯が太くなってます。すげえ安心感!
でも落ち着いたとかいうことではなくて、逆にエライ熱さですよ!
ものすごい攻めてる。
こんなに激しいドラム叩く人でしたかねえ?


此処にいることに・・・夢中・・・っていうか、必死、だったけど、
感覚というか、皮膚感って結構覚えてるもんなんだね・・・。
これが女の性ってやつか。


「バーストレイン
間髪入れず、トムくんがリズムを刻む。
まっちぃのこのフレーズは!!きゃあ!
メンバーが奏でるイントロが流れる中,カズくんのご挨拶。
「こんばんわああ!!100sですッ!!
北海道にもどってきたぜい!!
最高の状態でもどって参りました!
みんなの力があれば,無敵のライブになります!
飛ばしていくから、ちゃんとついてきてねっ!!
バーストレイン!・・・2・3・4!!」


えー、
カズくんが俺等に向かってしゃべった!っつうだけで、大分アガりましたね(苦笑)
何せホラ、OZ、OZ#はこちらとそちらでコミュニケイトするってものではなかったしねえ。
音と感情のやりとりはね,もちろんあったけど,
なんだろ,同じ人と人という感じでは交わらないというか,
世界観を共有するという感じだったので。
博愛博は北海道来てねえし。
やっと、バンド・100sのライブを、感じることが出来た、ような、ね。


♪2度とはないよ〜♪と
♪OK!♪の手振りが皆完璧(笑)
スバラシイです。みなさん!
ここの小野ちゃんのコーラスがすげえ好き☆
コーラスっていうか、後半はもう既に絶叫気味でしたけど(笑)


まっちぃが、途中でなんか叫んでたような・・・。
覚えてない〜・・・(泣)


「なあ、未来。」
ぐわん!と空間ごと、目の眩むような、意識が別次元に飛ぶような感覚があった。
・・・はあ!!!なんてバンドだ!!!
こんなにひとつになってるのに、
こんなにお互いがしのぎを削って戦ってるかのようなぶつかり合いをしているバンド、
他に聞いた事ねえよ!!!
挑発のし合いで、どんどん、お互いの音が混み合って来る。
お前がそうくるなら、おれはこうじゃあ!!!って感じで、
かっこいいフレーズがあちらからもこちらからも・・・。
でも、絶対ズレない。輪(和)は乱れない。
・・・なんて人たちだ・・・。
当たり前の形容詞しか思いつかないけど、ものすごいうまい!!
すばらしいです。
このバンドの意識の高さとポテンシャルは、尋常じゃない。
さらにそれに加速をつけるように、叩きつけるようなカズくんのうた。
どんどん開いていく。曲を重ねる度に、うたが、声が、力強さを増していく。
2年前より、もっともっと強固に、さらに多彩に。
ヒロくんの音が、驚くほど澄んでいて、びっくりする。
なんてキレイな音だ!
こんなベースの音、聞いたことない!


サビで思わず拳を上げる。
戦いそのもののうた、だからかな。
自然と闘争心に火が付く感覚があった。
なんにも考えてなかったけど。


しっかしまあ、こんな変則リズム、よくみんな付いていけるよなあ(苦笑)
モッシュってんのに、
みんなの動きが完璧にトムくんと同じ(笑)
どんだけ聞いてんですか、皆さん(笑)
いやいや、うれしい限り。


MC
カズ「ありがとおおお!!」
池「はい、100sです!どうもお!!
札幌か?ここは?
昨日まであんなに涼しかったのに、めちゃめちゃ暑いじゃねえかよう!!
だんだん脈が速くなってきた(笑)
いやあ、久しぶりだね!北海道、久しぶりですよ!」
と、いきなり水500ml一気飲み!(笑)
池「いやあ、今日の水はうまいね!!甘い!
(スタッフさんに)あ、空ボトル持って帰るから。
キーボードの前に龍居るでしょ?さっきからね、こいつが全部弾いてるから(笑)
俺はここであずき洗ってるだけだから。」
とマラカスをかしゃかしゃ言わす(笑)
それを見てうははは,と笑うカズくん。
まっちぃが小野ちゃんのところまでつかつかと行って、
なにやら耳打ち・・・。
その後もMCの度に小野町田コンビは打ち合わせを行っていました。
こうやって、完璧なギターデュオは作られていくのね・・・。
池「OK!札幌!行こうか!」


「シンガロング」
まっちぃが噛み締めるように出だしのフレーズを奏でる。
祈るようにマイクスタンドを両手で握るカズくん。
音のひとつひとつが、意味を確かめるように響く。
まっちぃのコーラス・・・。いい声・・・。
すごい、うた、うまくなってませんか?まっちぃ・・・。
表現力の幅が広がってる感じ。
うまい?・・・違うな。
遠慮しなくなった、と言った方がしっくりくるな。
♪デストロイ!!♪絶叫!カズくん。
届け、届け、と、たくさんの手が上がる。
その様を見て、かすかに笑みがこぼれるカズ。♪そう、ナイス♪でOKサイン。
池ちゃんの鍵盤が、とても強くて美しい・・・。
ここで鳴る池ちゃんがキモだ。
トムヒロのじっくり鳴る低音が、ぐいぐいと引っ張っている。
共に鳴っている小野ちゃん・・・。
あちらとこちらをつなぐ、その間。すごい次元で鳴ってる。


完全に個人的な話になりますが。
ここ二ヶ月の間に、知人が三人も星座の果てへ逝ってしまい。
一緒に仕事をした方たちだったので、
声や笑顔や、たわいのない会話を、
ドっと、思い出してしまった。
何故、彼等が先に逝かなければならなかったのか。
何故私は、まだ、ここにいられるのか。


先に逝った、親友。
何もしてやれなかった私は、
あいつに,届けられるような、声を放って居られるのか?・・・・。


出るとこまで,出せ,声。


「Honeycom.ware」
小野ちゃんの音で、急激に温度が下がっていく。
イントロが鳴った瞬間。涙がこぼれた。
なんて痛くて悲しくて,美しい曲なんだろう。
カズの目に、冷たい光が宿る。鋭さが心を刺す。
その目が問い掛ける。
君の望みは、生きることか、生きながらにして死ぬことか、それとも??と。
この人はとても残酷な人だな、と思ってしまう。
これではダメだと、重々わかっているのに、
漫然と生きているわたしのような人間には、
彼等の歌に、断罪されているような気分になる。
もちろん、そんなつもりで鳴らしている訳では、ないことはわかっている。
自分が自分を否定しているから、そう感じるだけなのだが。
そして、それを打ち破りたい、と思っているからこそ、こんなにも突き刺さるのだ。
甘えは、通用せん。


カズの口元に冷笑が浮かぶ。
それは会場の我々に向けられたものではない。
世に溢れている、うわべだけの空虚な生に対する彼の視線、なのだ。
ここにいて、
ここではない、世を覆う虚ろな大きなものを見ている。
でも。
その冷笑が、自分にだけ、向けられているようにも、思う。
この曲は、自分の中身なのではないか、と、
ぞっとすることがある。
だから、涙が流れるのかもしれん。
在るか、自分。
居るか、自分。
憂いに支配、されてはいないか。
今の私では、はっきり、是、とは言えない。


トムくん,クリックつけてないのに,完璧です。
す,すごい・・・。
その所為か、OZの時より,より肉体的な音になっている。
見失いそうになる気持を、しっかり捉えてくれる。
ヒロくん、この曲を弾くときは、いつもとても辛そうな顔をする。
悲しそう、といった方がいいか。
大事に、大事に、一指一指、確かめるように奏でている。
この曲は、もうひとつのメロディーを歌っている、彼が要だ。
その旋律が、命綱のように、全てを繋げている。
弦と同じくらい、コーラスも、とても綺麗です。
まるで中村一義の意識と我々のいしきとの掛け橋を担っているみたいに、
仄かなやわらかさが、彼の声にはある。
まっちぃ、小野ちゃんのギターの使い方が常軌を逸しているとしか思えん。
弾いてるんじゃないんだもの。
弾いてるんだけど、ギターの音がしない。
・・・なんと言ったらいいのか・・・。波動、といえばいいのか。
五感で聞く音ではなくて、六感で感じる音。
憂いが砕けてキラキラと降り積もる向こうに、虚無が顔をのぞかせる。
池ちゃんの鍵盤がひどく美しく、レクイエムのように響く。


歌い上げたカズくん。
ドサっとステージ上に倒れ込む。
息が荒い。
この曲は,体力も精神力も,相当使うんだね。やっぱり。
この世界から、憂いゾーンから戻ってくるのは、容易ではない。
闇に捕らわれてしまうのは容易い事。
あのカズくんですら、そうなんだ。
なにもかもで生きている人が、
なにもないものを歌うには、
全部を懸けざるをえないのだ。


「Q&A」
トムくんの鼓動のようなバスドラに合わせて、池ちゃんの鍵盤が歌う。
そこへまっちぃと小野ちゃんがディレイ気味にかぶさってくる。
小野ちゃん、相変わらず完全に別次元で弾いてます。
彼の音には、理屈が通用しない。
なんでそんな音が出せるんだろう・・・。
でも5人と同じ波長なんだよなあ・・・。この人、なに者なんだろう・・・。
本能だけで、この意志の世界を表現できるなんて・・・。


世界を取り戻すように、強く、強く。
力を使い果たしたカズを、支えるのではなく、
まるで「そんなもんかよ?」とでも言わんばかりに挑発するメンバー。
力を注ぎ込んでるみたいだ。
底から揺り起こす、音、音。
客席からも、大きな手拍子が響き渡る。
会場中の意識がカズを中心に、どんどん収束していく。
そして、
それに答えるように、ユラリ、と起き上がるカズ。


眩いライトが6人のシルエットを映し出す。


ハニコムが見せている世界に対するそれぞれの考えを、
6人6様に演奏で表現しているように聞こえる。
まるで音で議論しているみたいだ。
俺の答えはこうだ、とそれぞれがプレイで語っている。
全員が、持ち得るスキル全部で意思表示をしている。
音のぶつかり合いがものすごい熱を起こしている。
だが、ただ主張を押し付け合っているのではない。
互いの言葉(音)を聞き、互いの言葉(音)を理解するまで、
納得いくまで、とことんぶつかりあっているのだ。
その様が、益々音のまとまりを強固にしていく。
こんなにバラバラで、こんなに強い繋がりを、あたしは聞いたことがない。
お互いを信頼しているからこそ、全部をぶつけることができるんだろう。
この曲、本当に全員が違うことをやってるんだね。
まるで、色も材質も違う糸を手繰って、
一つの強い縄を綯ってるみたい。
音と音が、まったく交わってない。
でも、見えている先は、同じひとつの世界。


刻み付けるように、叩き込むように、世界が再構築されていく。
会場の、音に対する集中力が異常なまでに高まっている。
カズ。ほとんど絶叫に近いうた。
驚くほど、声量がどんどん増していく。


サビで思わず拳を上げる。
祈っていた。
闘う力を。もっと力を。
分けてくれ、あたしに。
まっすぐ、まっすぐ。行ける力を。
泣きながら、叫んでいた。形振りかまってる場合じゃなかった。
負けたくない。
自分に。
まずそこをのりこえなきゃ、何にも向かっていけねえ。
あたしはまだ、微妙で絶望に近いところにいる。


例の二人羽織アルペジオ
いったいどうするんだろう??と期待しておりましたら,
入る直前に,まっちぃとカズくんが,誇らしげに上手を指さす!
え?と視線を移すと,
なんと!小野ちゃんが一人で見事に弾ききっていました!!
おおお!!すげええ!!
そうだよなあ。この人にしか弾けねえって。
もうもう、見事でした。


アウトロは・・・言葉になりません。
すごかった。すばらしかった。
音と意志のぶつかり合い。
全部が命がけだった。
音のカオス。
だが、破綻するのではなく、ますます強固に、結束していく。
・・・なんてひとたちだ・・・・。
集中力使いすぎて、底から全部吐き出しすぎて、意識が遠のきそうだった。


今日のライブで、最高の瞬間だった。


「A」
トムくんの高らかなカウント!
そうか。これが、今の100sの答えなんだ!!
ここまでの3曲。
それが、今の100sのすべてを語っている。
そうだ!そうなんだ!!
とことんやりあって、ぶつかって、
その答えは・・・・。


池ちゃんが鍵盤の上に立ってます!
しかも足で弾きながら(笑)
池「ヘイヘイヘイヘイ!!遊んでるかい?みんなああ!!
もっともっと遊ぼうぜええ!!
じゃあ,みんな,手の平のしわを見せてくれ!
みんな!おらに元気を!(笑)
その手と手のしわを,合わせて!クラップクラップ!
いいぞおお!!トムくんのドラムと一緒になれよ!
全員やるまで始めませんよ!(笑)ハイ!そこ!やってないよ!!!
・・・・All Right!じゃあいくぜええ!
みんなカウント頼むぜ!」
最高潮にアガる演奏!
カズの両拳が天を突く!
カズ「いくぜええええ!!!エース!!」
トムくんの爆発するような両腕のしなり×ヒロくんの畳み掛ける太い音、
まっちぃ×小野ちゃんの、あの奇蹟のフレーズが鳴り響く!
全員の絶叫「1・2・3!!!」


この曲の一体感は、本当にすごかった。
筆舌に尽くしがたい。
というか、もう、あたしの語嚢では、あの時の幸福感は表現できん。
もう、演者も、受け手も関係なくなっていた。
全員の想いが、一気に爆発したような、ものすごい熱量だった。
なんて強い歌だ。
どうにかしたいのに、どうにもならないと思って燻りそうだった思いに、
一瞬にして、答えを出してしまった。
自分を行け、行け。
ああ、あたしにも、自分がある。
6人を目の前にして、ここで歌える、自分がいる。
そう、思えた。


「だろ?だろ? だろ、なあ、みんな!」
それに答えるように、たくさんの声と手が天を突き上げる!
この曲の、本来の姿を見た気がした。
100sだけの答えではない。
ここにいる全員の、答えなんだ。


一緒に歌えて、ものすごいしあわせだった。


「まんまる」
池ちゃんが再び鍵盤の上に立って、皆に手拍子を要求。
ってか、言われるまでもねえよ!
これは手拍子やる曲でしょうが!!
♪タン・タ・タン/タン・タ・タンッ♪
トムくんに合わせて、たくさんの手がリズムを刻む。
シンバルがドラのように鳴り響く。
この曲はまっちぃのカウントから。


♪入んな、入んな。♪と手招きするカズ。
はは、呼ばれるまでもなく、踊るアホウになってるぜ。みんな。
ホントにアホみたいな(苦笑)大合唱だった。
それでいいんだ。
たまには、ブルースも、笑って。笑って!


♪たまや!かぎや!♪のところで、手を口にあてて、
上空に向かってうたうカズくん。
みんなみんな笑顔。
灰皿のキンッ!って音してたんだけど,
誰かが叩いていた様子がなかったので,池ちゃんがやってたのかなー?


このうたって、祝祭って言葉がぴったり。
みんなが、心にジュビリーを持って、集ってる感覚。
あの、日本人独特の、祭りの雰囲気。
この開放感。
楽し過ぎて、どうにかなっちゃいそうだ。


越えた先に、祝いの歌だよ。


MC
カズ「ありがとうございますッ!
・・・もう声が出ねえ(苦笑)しゃべれねえ!
・・・トムヒロ!後は頼んだ!」
と座り込むカズ。
一瞬顔を見合わせるトムヒロ。
トムくん、マイクを寄せて話そうとしたその時、
池「特にそこの!黒い人!!」
(会場から「ヒロくんしゃべってえ!!」)
ヒロくん、しばらく首を左右に振っていたが,
仕舞いには顔の前に手でバツを作る(苦笑)
どうあっても、ライブ中はしゃべらないらしい・・・。
池「なんだよ〜!さっき楽屋でさんざんカップのやきそば食ってたくせに!!
キャベツが入ったやきそば弁当ってあるんでしょ?
これはなに?北海道限定なんだってね?」
(会場から肯定の声多数)
池「あ、そうなんだ、へえ。」
・・・終了〜(笑)
この時、カズくんがマイク通さず座ったままで、
近くのお客に「本当?」って聞いてました(笑)「へえ!そうなんだ!」って。
池「この人ねえ、さっき楽屋で3,4個食ってた」
(会場から「おいしかった?」)
池「おいしかった?って!」
ヒロ「・・・おいしかったです(照)」
(会場・きゃーーー!!・笑)
池「なんだよ〜!三年ぶりに口開いたかと思ったら「おいしかったです」(マネ)だけかよ〜。
お前は三谷幸喜か!・・・ん?違うな。二谷英明か!!・・・。
どっちかわかんなくなっちゃった(笑)」
(会場からトムくん!!の声)
池「トムくんはねえ,しゃべんないよー!
四年前にしゃっべったキリだから。
その時の最後の言葉は「ピニャコラーダ」だったけどね!」


トム「・・・どうも、今晩は。
ドラムでずっとしゃべり続けてるので、
特に言葉でしゃべることもないんですけど、
今日、俺、すごい楽しいです!
皆さんも最後まで楽しんでってください!」


・・・・トムくんが!トムくんがしゃべったああ!!
・・・トムくんはヘレン・ケラーか!(苦笑)
初めて聞いた。直で、彼の声。すんげえうれしい!
しかも超絶に嬉しい言葉!!!
ドラムで伝えたい思いを発しているのが、
肌で感じられるので、ものすごい納得でした。この言葉。
でも、やっぱりしゃべってる声が聞けて、すーーーーげえうれしかった!
トムくんの言葉はとても重みがありますねえ・・・。
メンバーも、おお!って感じで聞いてました。
池「なんだよぉ!俺もそっち(客席)で聞きたかったな!」
(会場から「池ちゃんかっこいいよ!!」)
池「ああ!知ってる知ってる!(笑)いっつも自分で言ってるもん。
・・・これでも家では寂しい思いしてんですから。
もうライブの時だけですよ!こんなにみんなと楽しくやれるのは。
家ではいっつもトイレにいるんですよ。トイレが自分の居場所みたいなね。
トイレになにもかもそろえてね。」
ここでまっちぃが、チューニングしながら、
マイクを通さず「家ではそんなに居場所ないんだ!」と言っていたのが、かなりウケた(笑)
「・・・いや、おれはダメだ、そんな弱気なことじゃ・・・。
じゃあ、次の曲は・・・そんな曲を・・・(笑)」
カズ「えええ!!そんな曲ですか??(笑)」
池「(苦笑)あ、少ししゃべれるようになった?」
カズ「・・・まんまる、高いわ(笑)・・・なんでこんな曲作っちゃたんだろ?(笑)」
池「自分で作っといて!(笑)」
カズ「作っといて(笑)
・・・じゃあ、あの曲いきますか。
「あの荒野に花束を」」


「あの荒野に花束を」
厳かな池ちゃんの鍵盤が鳴り響く。
踏みしめるようなトムヒロのリズムが、地に染み渡り、歩を進める。
あんなに戦っていた、各々の音が、
驚くほどしっとり寄り添い合い、ひとつの景色を見せる。
カズくんの謳いが、とても穏やかになる。
客席を見る目が、とてもやわらかい。
手向け、なのかな。
あの空洞の街に。
いや、あの街だけじゃない。
もう、彼等は、この上滑りの時代への決別と、
とても優しいレクイエムを捧げているのだ。
砕けて降り積もった思い達への。
今まで歩いてきた世界を、振り切ったり、忘れようとはせず、
そこから得たものを確かめるように、一歩、一歩と、背負ったまま、先へ向かって。
諦めるのではなく、許すでもなく。
感謝・・・に近いのかも知れない。
そして、目の前には、広大な大地。
ああ、なんてあたたかくておおきなうたなんだろう。


人が好きで、
まだ、人という存在を信じているからこそ、
先への歌が歌えるんだろうな。


ストリングスの部分をスキャットするカズ。
あまりにも透きとおっていて、綺麗で,
・・・許されているような気持ちになった。
メンバー全員の音が穏やかに、少し寂しげに響くのは、
別れを惜しんでいるのか。


バイバイを、自分でちゃんと言える日が、
あたしには来るのだろうか。
いや、いつかは、言わねばならない時が、来るのだろう。
かれらと同じように。
それに気づけないようじゃ、あたしは本当にダメ人間だ。


トムくんの刻むリズム。
我々に考える余地を与えてくれるかのように、
少し、余白があるように思える。



「つたえるよ」
意識が、大気のレヴェルまでどんどん広がっていく。
光が満ちる。
ああ、なんて素直できれいな曲だろう。
ひかりを、なんの衒いもなく、真っ直ぐ届けてくれる。
キラキラキラキラ。
海に映った太陽の光線。
澄み切った青空のような。
この曲は「Q&A」と対照的に、
すべてが調和している。


♪まわるまわる♪で、ゆっくり手で上空に円を描くカズ。
♪暴走は不注意だ♪と後ろに払いのけるようにする。


いっぱいいっぱい、つたわってます。
いっぱいいっぱい、つたわってますか?
つたえて、いかなければ、ね。



「蘇州夜曲」
メンバーが見守る中、
まっちぃの伴奏に合わせて、カズが歌い上げる。
二人の呼吸が、こちらにも、伝わってくる。
ボーカリスト中村一義の真骨頂。
こんな透きとおったハイトーン、誰にも出せない。
ふたりのやりとりに、遠く、水辺の街を思う。
・・・覚悟を、決めよう。


「ももとせ」
カズ「今日はどうもありがとう!
ももとせ行くよっ!!
歌ってねえ!
ワン・ツー・わっしょいいっ!!」


個を、問われることが多かった、100sの曲の中で、
初めて、共にゆこう、と、
呼びかけてくれた曲。


声と手が、
メンバーと同じ気持で、祈るように、誓うように、大きく大きく広がっていく。
泣くな、ただ笑え。行こう。
咲くぞ、咲くぞ。
・・・・泣きたくはなかったんだけどさ、
でもね、
うれしかったんだ。ものすごく。
そう、この時流れた涙は、うれしい涙、だった。
このうたを、同じ気持で、メンバーと、集った人たちと、
一緒に歌えてるっていうことが、
ものすごく奇跡的なことだと、思ったから。
そして、この思いは、百年先まで、きっと、残っていくのだ。


サビ手前で「せーのっ!」
と掛け声をかけるカズ。
メンバーもオーディエンスも、その声に鼓舞されるように、
熱く、さらに開いて、広がっていく。
互いの想いが、混ざり合っていく。


♪ラーラーラー♪は会場中大合唱。
それに「あ,そーれっ!」や
「あ,よいしょっ!」と合いの手を入れるカズ。
魂をかけて、叫んでいた、この時のカズの、
揺るがない思いに満ちた姿、
忘れない。


万感の思い、とは、この時のことを言うんだろう。
この世を、次の世まで、共に歩こう。
共に行こう、と、
全員で肩を組んでいるような気持だった。


いまさらなんですが。
100sほど、リスナーを信用してくれてるバンドはいないと思います。
同じ想いや憂いを、
音楽を通じて、共有している、という、絶対の信頼が、
メンバー全員から感じられる。
それがとてもうれしくもあり、
・・・拭えない恐れにも通じるのですが。


こんな一体感は,感じたことがない。
奇蹟的な時間だった。


「もしこのまま」
ももとせの残火がまだステージ上で燻っている。
ゆっくりとセンターの椅子に座るカズ。
小野ちゃんも座って。
メンバー全員を見渡して、まっちぃが穏やかにアコギを鳴らす。
やわらかい音が、
ももとせの熱を、まるで包み込むように広がっていく。
燃えるような熱さの火種そのままに、
陽だまりような、つないだ手のような温もりに、抱かれているみたいだ。


背中を丸めてつま弾く小野ちゃん。
エレギとは思えないほど、澄んだ音がする。
まっちぃが弾いていたアコギはお父さんのなのかな?
木の音が耳に優しい。
池ちゃんの弾く鍵盤は、池ちゃんでしかあり得ない音がする。
でも,他の人と絶対けんかしない。
いい,音,だなあ。
・・・いや、・・・いい人なんだな。きっと。
トムくんヒロくんが、とても素敵にうたっている。
とても静かに語りかけてくるようだ。
灯っているあかりを消さないように,
まるでうたで包み込んで守るように,
カズの声がやわらかく響く。
こころだけは、なくさないで。
そのために、何かを捨てることになっても。


カズくんの「ありがとう」がとてもやさしくて。
こちらこそ、精一杯のありがとうを。



去り際、
鍵盤を調整したうえで、拍手を煽ってハケる、アフロが一人(苦笑)
・・・やりたい気満々じゃないすか(笑)
そして,それに答えるように,歓声と拍手がものすごい勢い(笑)
客席の期待が、拍手の強さと速さを物語ってますねえ。
揃い過ぎ、みんな(笑)



EN
MC
始めに出てきてくれたのはまっちぃ。
ずーっと眼鏡を外したりかけたり,拭いたりしている。
ま「今日はね,いつも以上に眼鏡が曇るんだよぉ。なんにも見えない・・・」
(会場から「拭いて?」)
ま「いやいや,拭いてるんだけどさぁ,すぐ曇っちゃう・・・」
会場からの「まっちい脱いで!」の声に,
真顔でシャツの前をバッ!!とはだける,男・町田昌弘31才(笑)
そうこうしているうちに,メンバー登場。
小野「もうちょっとやらせてください!」


カズ「ありがとうございます!
あれで終わっちゃあねえ,ちょっとしんみりし過ぎだよね(苦笑)
俺ちょっと泣いちゃった(笑)」
池「ある意味,こっから第二部くらいの気持ちでね!」
カズ「こっからが長いよっ!(笑)
もうみんな知ってると思うけど,
まっちぃと池ちゃんが,立て続けにソロアルバムを出しました!
まっちぃは「Herer,there」というアルバムで,
池ちゃんは「レキシ」というね,プロジェクトで。
あのー,まだ購入されてない方は・・・物販で!(笑)」
池「物販っていうな!」
カズ「せっかくなんでね,ソロの歌も,披露しようかと」
池「どうもっ!レキシっす!!俺はねえ,「Good Bye ちょんまげ」をやります!」
ま「待って待って!チューニングめちゃくちゃ・・・。
えっと。
Herer,thereというアルバムを出したよ。(照れくさそうな笑顔)
その中のクラシックという曲を,やろうとおもっています。」
池「ソロといえば,もう1人ソロやってた人いるんじゃない?そこに!」
ま「北海道でこの歌歌うの念願だったんでしょ?」
カズ「・・・念願の・・・「犬と猫」を,歌いますっ!」
会場中悲鳴の嵐!!
やったー!!もう2度と生では聞けないかと思ってたよう!(嬉泣)
ばんざいを煽るまっちぃ(笑)
カズ「それやりたかっただけでしょ?(笑)」
楽しそうなまっちぃ(笑)永遠の中学三年生健在。
カズ「じゃあ「犬と猫」歌いますっっ!!」


「犬と猫」(中村一義
♪ど〜お〜?♪って声が響いた瞬間。
怒号のような悲鳴が!
ははは。大合唱再び(笑)
ってか本編より声デカくねえ?みんな。
やっぱな〜〜。
そりゃそうだよなあ。
ソロ名義の曲はもうやんないんじゃないかって思ってたもんねえ。
うれしすぎて歌詞の意味考えてる暇がねえ、ねえ(笑)
もう聞けるだけで満足ですよう。


ああ、ここから。
10年前。
荒野は、目の前に広がっていて。
わいわいできないまま、ひとりで、歩き続けて、歩き続けて。
今、ようやく、そこに、いっしょにバイバイが言えるような、
わいわい言える仲間ができて。
中村さん、なんだか笑顔全開です(苦笑)
ははは、ここでこの歌うたえるの、本当にうれしいんだね。カズくん。
ありがとう、そこで、歌っていてくれて。
まっちぃ小野ちゃんのコーラス、素敵でした。
今、「ALL!!!!!!」が出てから、
この曲を聞けて、よかったのかもしれない。

犬と猫

犬と猫

金字塔

金字塔

「クラシック」(町田昌弘)
まっちぃは100sのギタリストで居るときは、
どちらかというと「陽」の気が強く出ていて、
それが、あたしにとっての、まっちぃだったのですけど。


歌っている姿を初めてみて、
すごく影・・・の部分を感じました。
もちろん、100sで奏でている時も両方見えるんですが、
それは100sとして表現しているものの、両面であって。
町田昌弘個人のものではなかったので。


別の一面が垣間見えても,
まっちぃは、・・・やっぱりまっちぃだった。
それがうれしかった。
町田昌弘は、
とても澄んだ目をもっている人だな。
だからこそ、歪んだものも、よく見えてしまうんだろうな。


彼は歌うと急に色っぽくなりますね・・・。
それはきっと、人間、として、
とても魅力がある人なんだ、ということなんではないかな。
歌うと、というか、
そこにいる佇まいから、
みんなが知ってる100sのまっちぃ、の、
さらにもう一息先に踏み込んだ、町田昌弘の匂いがした。
・・・すんごいドキドキしてしまった。
少しメロウな曲調と、落とされた照明も相まって。


本編ではリード取ることがあまりない小野ちゃん。
この曲では小野ちゃんががっちりリード。
ああ、こうやって聞くと、やっぱ小野ちゃんて、すげえうまいんだなあ、
って改めて思ってしまう。当り前なんだけどさ。
いつもどっか普通じゃないもの奏でる方なので(苦笑)
ものすごいうまいギタリストなんだってこと、失念しがちで(笑)
かっこよかったです、小野さん。


ま「ありがとう。」

here,there

here,there

「Good Bye ちょんまげ」(レキシ)
池「どうも。レキシですっ!」
センターでハンドマイクな池ちゃん・・・。すげえ違和感(笑)
ってか,こんなに近くで池ちゃんを見ることになろうとは・・・。
今気づいた!着替えてる!
羽織の形をプリントした黒いTシャツに,
「忍」と刺繍されたリストバンド。
わー,池ちゃん。そのリストバンド欲しい!!!(笑)


さてさて,この曲。
ツアーの最初は10分くらいだったらしいんですが,回を追う毎に,
15分,20分,と伸びていき,ちょっと戻して18分(笑)になったけど,
もう今日は30分やるぞ!と宣言して,
その通り,30分近くやってました(笑)
まあ延々と,しつこいしつこい(笑)
メンバーも,まだやるの??ってあきれ顔。
カズくんは,鍵盤のとこで,完全に休んでました(笑)
後半は客もちょっとダレ気味に(笑)
池「一生分のまげを結ってもらうぜ!!」との気合の元(苦笑)
「ちょん」と「まげ」の掛け合いやら,
「I wanna do do」と「まげ」の掛け合いやら,
M・A・G・Eって人文字やらされるは、
声でウェーブやるぞ!とか,まあ,いろいろやらされまして(笑)
いや、すげえ楽しいんですけどもね・・・。
誰よりも楽しそうな池ちゃんを見てるのが楽しかった(笑)
スペ中時代から、池ちゃんのグルーヴはあたしのツボなんですよ。
ずーーーっと笑ってました、あたし(笑)もうなにもかもがおかしい。
でもね,正直ここは、
池ちゃんより(苦笑)トムヒロとまっちぃに釘付けでした!
すげえかっこよかったんだよ!
池ちゃんが延々しゃべったりしている間,
三人での演奏が続いていたのですが,
かっこいいフレーズ続出!!
油断ならねえ!!ってか,やっぱりすごいよ,あなたたち!
ゲラゲラ笑いながらも,耳が離せない!
こういう黒いノリは、トムヒロの相性・・・というか、
ふたりの呼吸がいかに合っているかっていうのがよくわかります。
すごいもん。完璧。
気持ちよく体が揺れる。だまってられない。
まっちぃは弦をこすってスクラッチみたいな音出したり,
そりゃあもう,手を変え品を変え・・・。すげえ・・・。
あと,音量の上げ下げを池ちゃんが手で表現したら,
三人とも完璧にそれについてきてて!しかも,音量ばっちり。
さすがの池ちゃんも
「こっち(メンバー)すごいね!!
なんの打ち合わせもしてないのに,よくやってくれた!!」
と大喜び。
で,その後また何回もやらされてました(笑)
でも本当にこれはすごかった。
誰かが飛び抜けて聞こえることがまったくなくて,
コンポのボリュームを上げ下げしてるみたいに,
全員の音が同じだけ上げ下げされる。
この人ら・・・恐るべしです。
どこまで繋がり深いんですか・・・。
ちなみに小野ちゃんは・・・飲んでました(笑)
途中いなくなったので、どうしたのかな?と思ったら、
その手には缶ビールが(笑)
わざとマイクでリングプルを開ける「カシュ!」って音拾ったり。
「かんぱ〜いっ!!」って・・・。もー、ビールばんざい!!(笑)
めちゃめちゃいい笑顔でしたよ(笑)
この時点で6本目って言ってたな・・・。
あ,ただ飲んでた訳じゃないですよ?
池ちゃんに付き合って,我々と一緒に,
小首かしげながらも(笑)歌ってくれてました。

レキシ

レキシ

延々とコール&レスポンスが続く中(笑)
まっちぃが,もういいかげんにしろ!と言わんばかりにギターを置いたら,
やっとメンバー紹介します!とレキシネームで全員を紹介。
DA小町のギターソロ,超かっこよかった☆
いつまでもやらされてる鬱憤を晴らすように(笑)おらあ!!って感じで。
池「この人はドラムでしゃべりますからね。
これから叩く言葉を,あとで答合わせします!」
と,蹴鞠chang,音3つしか叩かない。
リムショット,タム,フロアタム。
♪カツンッ・タンッ・ドンッ♪って感じかな。
池「・・・「ぼくは」?「ぼくの」?」
トム「・・・かつ丼!(笑)」
ステージ上崩れ落ちるメンバー諸氏(笑)
そうくるとは思わなかったなあ・・・。
トムくんの意外な一面を見た・・・結構おちゃめなのね☆
ステージ上に転げてるメンバーを尻目に(笑)
嵐のようなドラムソロ!!!きゃーー!!かっこいいいい!
池「北海道が「白い恋人」ならこの人は「黒い巨人」!」
という,紹介のもと(笑)ヒロ出島のベース早弾きソロ!
すんごい腰にきまくり・・・。かっこいい・・・。
そしてそれにあわせてなぜかロボットダンスを踊るまっちぃ(笑)
その横で不思議なおどりな池ちゃん(苦笑)
コーラス,Dr,コバン。
鍵盤のとこで,ちょっとぼんやりしている姿を池ちゃんに発見される(笑)
池「ああ!!完全に休んでんだろ!!(怒)」
ニコーっと笑うカズくん。
池「レキシの金勘定は全部この人がやってます!今は税金対策に追われてて(笑)」
ホントかどうかはわかりませんが(苦笑)うなずくカズ。
そして、ちっちゃい拡声器で「♪ちょーんっ!♪」
めちゃめちゃいい声です(苦笑)
律儀に一礼。
そしてトリは酩酊のギタリストことえどびしゃす。
トムくんみたく,音みっつ。
池「??何それ?」
小野「(満面の笑みで)ピカチューウ!」(アニメの声優さんのトーンで想像してください・笑)
池「・・・こいつ,もうダメだ!酔っぱらってる!」
やだもー,小野ちゃんったら,かわいいーー(笑)


小野ちゃんが弾くフレーズにあわせて、
そのまま熱いセッションになだれ混み,
センターで煽り続ける池ちゃんの後ろに,カズくん登場!
満面の笑顔で、アフロの背中を見つめる中村氏(笑)
ああ,やっと終わる(苦笑)


「いきるもの」
カズ「いくぞおおおお!!」


この曲の爆発の仕方、すごかった。
もう理性のカケラも、残さなかった。
全然覚えてねえ(笑)


サビんとこのみんなの手拍子がすごかったのと、
まっちぃの早弾きと、
トムくんのドラムロールのごとき連打が、ものすごかった。
楽しい!楽しい!!


そして、
再び、アンコールを要求して去る、アフロ(笑)
望むところっすよ!!!!!!


EN
1分と間を置かずに(笑)メンバー登場!
やっぱりレキシやり過ぎ?(笑)
カズ「ありがとう!じゃあもう一曲だけ!
キャノンボール行くよっ!」


キャノンボール
もう、上も下も、大騒ぎでした(笑)
背面弾き&歯で弾くまっちぃ。
酔拳のごとく(笑)ステージ上をいったりきたりしながら、
本能のままで弾く小野ちゃん。
加減とか、バランスとか一切考えてない、在り得ないくらいの打音なトムくん。
弦切れそうなくらいにハジクヒロくん。
叩きつけるような鍵盤、池ちゃん。


この曲。
気持の箍、外れるよねえ(笑)
なんでこんなに振り切れちゃうんだろう・・・。
死ぬように生きていたくはない。
心のそこで、みんな思ってること、だからか、な。


最後のサビの直前。
カズの絶叫!「最後の最後だぞっ!!全部出せっ!!」


ああ、
全部出したよ!!
不安も、不満も、後悔も、懺悔も。
うれしいもたのしいも,希望も。
全部ぶちまけた!


座り込みながらも、歌い続けるカズ。
終わることを惜しむように、
力一杯続けられるアウトロ。
ああ、このまま、終わらなければ良いのに。


小野「ありがとお!」
ま「すっげえ楽しかった札幌お!」
カズ「ありがとおおお!!また来るよお!」


一人残り、ステージから去る直前。
カズくんが、ひとりひとりの顔を確かめるように、
ゆっくり客席を見渡していたのが、とても印象的だった。




いやあ。
もうね。
すごいよ、あんたら。
なんなんだ。
なんでこんなに、真っ直ぐで、力強くいられるんだ。
そうやって生きているつもりだったんだ、あたしだって。
何を迷ってる?
ナニニ困ってる?
何が必要?
いつのまにか、見失ってたのかもしれん。


こんなに、全部吐き出したライブ、初めてだった。
そして、こんなになにもかも吐き出したのに、
楽しかったライブも、はじめて。
もちろん、誰のライブに行くときでも、全力でいるつもりですけど、
こんなに、心の中をさらけ出していられたことはなかった。
尚且つ、一方通行ではなく、ステージ上の彼らもまた、
全部出してくれているのが感じられて。
自己満足ではない、という確信がある。


放心状態の我々を、優しく包むように、
李香蘭の「蘇州夜曲」が・・・。
思わず、戦友と抱き合って、お互いの存在を確かめてしまう。
あたしは、ここに立っていられたのだ。


アルバムを聞いたとき、
今の100sは、ものすごい高い熱量でいるんだな、ということと、
とてもバンドらしいアルバムだな、ということを感じたのですが。
これは・・・。
体で体験しないと、いけないアルバムです。
ライブで、
彼等の生き様を体感して、
それに対する自分なりの答えをぶつけて、
お互いの熱をぶつけあって、
それで初めて、成立するアルバムだと思う。


生気と精気に充ち満ちた,素晴らしいライブだった。
精一杯,自分の持ってるもの全部で参加できた。
楽しかった!!!
ありがとう,100s。
こんな最高に幸せな時間をくれて。
そして,歌い続けていてくれて。
これからもよろしくお願いします!



余談
終演後,
物販になんとまっちぃが居てくれたのです!!
サインと握手もしてもらえて感動でした〜。
まっちぃは,誰に対してもまっちぃなんですねえ。
うれしかったなあ。
やっとちゃんと直にお礼を言えたので,
神戸の出来事を思い出にすることができました。

ALL!!!!!! (DVD付)

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