ファイナルファンタジックスーパーノーフラット 本谷有希子

劇団、本谷有希子
第12回公演
「ファイナルファンタジックスーパーノーフラット」
作・演:本谷有希子
吉祥寺シアター
07,6,4


吉祥寺シアターって初めてでしたが、
住宅街のど真ん中なんですねえ!
駅からすぐ近いけど、微妙にわかりづらかった・・・。
椅子席の会場で、そんなにキャパ(200くらい)がないわりに、
ステージが広く、奥行きがあり、
いろんな使い方が出来そうな舞台でした。
現に、本谷ちゃんは、この妙な奥行きを、とてもうまく使っていました。


いっつも見たいみたいと思いつつ、
日程が合わずに涙を飲んでいた、本谷ちゃん。
やっと生で見られました。
「石川県伍参市」以来ですよ!!
その間に、オールナイトニッポンのDJはやっちゃうわ、
芥川賞(だよね?)の候補にはなっちゃうわ、映画にはなっちゃうわ・・・・。
もう、何がなにやら(苦笑)
まあ、そんなことはどうだっていいんですが、
有希子ちゃんの本、そして生の高橋一生くん。
これ、完璧でしょう!!、と、
正直、大人よか楽しみにしていた今作品。
はえぎわのノゾエくんに、いつも完璧な吉本菜穂子嬢。
うんうん。
これはすげえよかったです!!


前作のファイナルファンタジーは見てませんけど、
今回のノーフラット。
この主人公と、それに付き従う女たちの気持も、
空間も、状況も、閉塞している様が、ものすごい心地いい(苦笑)
完全に個人的なフィーリングの問題ですけど。
他者に何かを求めているようで、それに依存しているようで、
実は、それを言い訳にして、完全に個であることへの足がかりにしかしていない。
一見共同体のように見えて、まったく相容れてない。
そして、それでも、
そこにいつまでも、いられるとは、思っていない。
いつかは、本気で外界と関わらなければ、自分を保てないということもわかっている。
それを、前向き、と取るのが世間一般の考え方だろうな。
これ。
この終わり方、納得できる人と、もの足りねえって思う人、両方いるだろうなあ。
でも、あたしは、すごく、納得した。
いい終わり方だった。
主人公が、ひたすらにつけ続けていた、
二次元の住人の、三次元への反抗の証しである、うさぎのみみ。
それを、「ゆく」であって「ゆく」ではない女の前で外した、あの瞬間。
関わっていくことを覚悟した、あの数秒。
これ、前向きと取られがちだけど、
あたしには、進んだ、とは思わなかった。
でも、それでいいと思った。
この、3歩進んで4歩下がってる感じ。
あたしには、ものすごいしっくりきた。
・・・やば。
うげーってなるくらい、感情入っちゃう(笑)


見てない人にはまったく伝わらない感想ですね(笑)
しょうがないっす。
そういう感想しか出なかったんだから。


余談。
客席に、なんか偉そうなオジサンと、連れのキラキラした女子がわんさかいて、
なんだか心配になってしまった(苦笑)
まあ、初日だってこともあったし、そんだけ注目されてるってことなんでしょうけど。
本谷ちゃん、妙な波に飲まれないでね・・・。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

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