大人計画・本公演「ドブの輝き」

「涙事件」
作・演:宮藤官九郎
「えっくす」
作・監督:井口昇
「アイドルを探せ」
作・演:松尾スズキ
@下北沢本多劇場
07,6,2 ソワレ


ここ何年かは年に一度しか、本公演やらなくなってしまいましたが(泣)
あれだけ多忙な方ばかりですからねえ、
やってくれるだけ、ありがたいってもんです。が。
いつか倒れるんじゃないかと思っていた松尾さんが,
とうとう本当に倒れてしまいました・・・。
働き過ぎです。少しは休んでください。
クドー作の出演部分は、まあ、ナルシーが代打で出るので、
問題ないとして。
松尾作の方の、演出がね・・・。
どこまでご本人の意図どおりにいってるかっつうのが・・・若干心配。

今回はクドー作、井口監督の映像作品、松尾作の3本立て。
いやー、おなかいっぱいでした(笑)
松尾、クドー作品と立て続けに見るだけでも結構な体力使うのに、
そこに井口さんときたもんだ(笑)
濃かった。濃かったです。
正直、ファン心理としては、
松尾さんの新作一本で見たかった気がしないでもないけど、
今の大人計画のスキルを全部いっぺんに見られたような、
お得感満載だったので、
これはこれとしてよかったです。
松尾さんとクドー。
両方それぞれで独立した話ではありましたが、
なんとなくテーマが近いように感じました。
自分で死ぬってことは、面白くねえ。ってこと。
わー、すごい頭悪くてごめんなさい(泣)
でも両方見て、そう思ったんですよ。
人生上手くいかな過ぎでも、誰かの厄介ごと被ってても、
死に対して妙な理想を抱いてても、
天寿をまっとうしない死は、かっこわりい。
なんでかなー。そう言ってるような気がしたな。
ちょっと前までの大人とは、間逆のようですがね。
でも、イケニエあたりからかな。
なくなることから、居続けることの方へ、
表現が変わってきてるよね。
・・・う〜ん。
あたしはまだちょっぴり、受け入れ態勢整ってないかもなー。


それにしても、事前打ち合わせとか全然してなかったそうなんですが,
それぞれの作家としての表現したいこと,というより,
大人計画」の持つ意識,みたいなもんがそうさせたのかな。
なんて思いました。
テーマが近いとはいえ,
まったくテイストが違うので,関連性とか考える必要なかったし、
3作品とも、単純に面白かったです。
本当にここの劇団は、芸達者な人ばかり・・・。


クドー作「涙事件」
芸能プロダクションでおこった連続殺人事件の謎。
って書くと土ワイみたいですが(苦笑)
いつものクドー脚本のデタラメ感もありつつ、
ちゃんと法廷劇っぽく(失礼)かなり楽しかったです。
松尾ちゃんの代打で出てたナルシー。
結構やりたい放題してました(笑)
急遽出たのに、相変わらずやー・・・。
セミーが主役、ということで、
いったいどうなることか、と若干思ってましたが(苦笑)
何の問題もなかった。

弁護士役の池津ねえさんが、すげえかっこよかったです。
・・・スカートはかないでパンツ丸出しだったけども(笑)
それを気にしまっくってる検察官べっこがかわいかった・・・。


井口監督作「えっくす」
もうね。
子供たちのインパクトが(笑)
久しぶりに、大人計画の役者陣の真骨頂を見た気がしました(笑)
だって〜、最近本公演でも、比較的まともな人ばっかりだからさー・・。
昔っからの大人好きだったら、
ちょっとうれしいかも。これ。
たんのしかった〜。


そして、松尾作「アイドルを探せ」
・・・・う〜〜ん・・・。
あたし、最近の松尾さんって、ちょっとばかし、ついていけてないんだよなあ・・・。
歌い踊る富士の樹海のゴミ達。
彼らのうたで、自殺を思いとどまる、なんでもない人。
これがねえ。
・・・どうしたもんか。
やー、かわいかったし、納得いかない訳でもないんですけどもだ。
まだねえ。自分が一歩先に踏み込めてないからなんでしょうけども。
もちろん、だからといって、全否定する気にはならんです。
それも当然だとも、理屈ではわかってはおります。
でもなあ・・・。う〜ん。


なんかはっきりしない感想で申し訳ないんですが。
大人好きとしては、面白かったんですけどもね。
ダメ人間から這い上がれてない自分の中では、ちょっとばかり、物足りない。
・・・感が、否めないっす(泣)
松尾さんに追いつけないよう・・・。
まだまだ、あたしも若造ってことか。


大人計画フェスのDVDを公演会場で買うとオマケがもらえる、ということで、
買ってみましたらば、
おばけやしきをやっているクドーゾンビの写真を貰いました(笑)
ある意味当たりか??(笑)