NODA・MAP 「ロープ」

harikona2007-01-24

第12回公演
シアターコクーン
07.1.20


野田さんがこんなに直接的な言葉使ったのって,
初めてじゃないでしょうか。
何も知らないで見たら,野田さんが書いたってわからないかもしれない。
それくらい,見た目の表現も,言葉の表現も,
むき出しのままぶつかってきて。
事実は,物語より残酷で恐ろしい。
遠くの出来事じゃないんだよな。
全部自分の生活に繋がっていることだということをつきつけられて,
戦慄とともに,おぞましい気持ちになった。
自分は,暴力という行為に訴えたいと思ったことはないし,
肉体的に暴力的なものに対しては,
どんな表現であれあまり好意的にはなれないのですが,
そんな自分でも,集団の狂気に飲まれてしまうかもしれない。
何故力に訴えねばならないのか,
そもそもの発端はなんだったのか,
他に取る方法はなかったのか,
人は簡単に見失ってしまう。
飲まれてしまうのは楽だろう。
だが,疑問を持つことを忘れてはならない。
行為と欲望におぼれれば,確実に破滅が待っている。


無くならないかもしれないけれど,
無くする努力は怠ってはいけない。
自分がやられて,嫌なことはしない。
簡単なことのハズなのに。


開演前の会場内に,ジョン・レノンが流れていました。
辛く,重い塊と,ちいさなともしびが,胸に残る作品でした。