劇団新感線「朧の森に棲む鬼」

 
いのうえ歌舞伎SHOCHIKU MIX`新感染`
新橋演舞場


ネタバレバレですのでご注意を。


もんのすごい久しぶりの新感線,しかも新作!
さらに愛しの阿部サダヲ出演!行かない訳がない。
という訳でやってきました新橋演舞場
今回はなんと桟敷席!!いわゆるボックス席ですね。
しかも上手側,花道真ん前!!
桟敷席初めてだったんだけど,専用のドアを開けるときすげー緊張した(笑)
席は座敷になってるかと思いきや,今風に掘りコタツになってて,
さらに座椅子が。
ひとつのボックスに二人がけで,お茶,お弁当付き!
幕間の休憩時間に出たこのお弁当がすごい。三段重ね!お吸い物!贅沢じゃあ!

お正月公演だったので,黒豆やだし巻きなどおせち的なものから,
築地の新鮮なお刺身まで!!おいしかったです〜!感動・・・。

まさに芝居見物,な感じですねえ。
気分は将軍家御用達の材木問屋のお内儀的な(笑)
でも実はちょっとステージ見づらいです(苦笑)
席の向きが微妙に客席の方を向いているので,
花道は真正面に見えるんだけど,ステージの方を向くと首が・・・。
はは。まあ,それはそれとして,貴重な体験しました。


今回の物語は,はっきり言ってしまうと,
井上ひさしさんの「天保十二年のシェイクスピア」をイメージしていただければ,
わかりいいですね。
染さん演じる口のうまい一介の民が,その口先と,魔女と契約して手に入れた剣で,
一国の王の座までのし上がっていく,が,
ちいさなつまずきから,だまされた人たちに追いつめられ,
最後は魔女の餌食になっちゃう。
物語的にはそんなに目新しい感じしませんでしたが(苦笑)
主人公のだましやら裏切りやらが見事で,
そのやりとりだけですっかり飲まれてしまいました。
後半の緊張感たるや,まさに息つく間もない程で・・・。


悪染さん,すんごい色っぽくてよかったです。
血まみれ,似合うなー・・・。
機関銃のように口から嘘を紡ぎ出し,騙して殺して,
のし上がっていく様はかなり気持ちよかったですね。
慈悲のかけらも愛もなくて。
罪の意識とか,孤独とかに惑わされないところがよかった。
弟分のサダヲさんを贄にしたときは,
思わずやった!と思ってしまった。
実はいい人だったなんてつまんないからねえ。
アオドクロの天魔王ばりにかっこよかったです。
本物の美しい所作,殺陣にもうっとり。


サダヲさんは,どんどん振り幅が広くなっていくなあ。
今回,前半はおバカで力自慢の弟分,という,
まあ,得意分野的な(苦笑)位置だったんだけど,
染さんに裏切られてからの後半が,すごいよくて。
染さんに騙されて目が見えなくなってしまったおかげで,
人の心の動きが読めるようになって,
どこか達観したような佇まいになって。
両方とも,とても魅力的に演じてらっしゃいました。
殺陣も,前半は闇雲に叩きつけるような太刀さばきだったのが,
後半は座頭市のような動きで,
無駄な動きをそいで,一撃必殺!的な凄みのある振るい方に。
この後半の殺陣がねー,すごいかっこよかった!!
動と静。両方のサダヲさんが見られて,
ファン冥利に尽きるってもんです。
それにしても,新感線似合うわー(笑)
声張り上げるのとか,ボケ倒しとか,
マンガちっくな動きとか大得意ですからねえ。ほんとによく動く。


そしてびっくりしたのが小須田さん!!
国一番の剣豪,しかも人徳篤い将軍さま。
すげー貫禄あってかっこいい役者さんだなあ・・・とは思ってたんだけど,
全然小須田さんだってわかんなくって(苦笑)
メイクバリバリだったとはいえ,気付けなくってごめんなさい・・・。
でも,こんな小須田さん初めてだったので驚きました。


久々にかっちょいいふるちん。
年を重ねる毎にどんどん醸し出す空気がエロくなってきてますね,
このオヤジさんは(苦笑)なんかもー,いやらしいわっ!(笑)
秋山さんはものすごくキレイで凛々しくて素敵だったし,
聖子ねえさんは愛らしくて,でも悲しくて,とても魅力的で。
それにしても粟根さん・・・・。
とうとう小悪党もやらせてもらえなくなってきた・・・。
粟根さんの殺陣が見たいようおう(泣)


とまあ,細々と全部書いてたらキリがないですが,
いい役者さんばっかりで,見所満載でしたわー。
シチュエーション含め(笑)とても楽しかったです。

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