大事に使わなきゃ
バッグを修理に出していたのが戻ってきました。
口がファスナーになっているやつなんだけど,
一個はそのファスナーが噛まなくなっちゃって,
もう一個は生地の部分が破れてしまってて。
こういうのの修理って技術料結構高いので,二の足踏んでたんですが,
口が閉まらないから捨てるなんて,もったいなくて出来ないから,
思い切ってお願いしてみた。
気に入ってたし。
電話帳でお店を調べたんだけど,カバン修理専門店って,
市内に一軒しか載ってなくて。
何軒かあるだろうと思ってたから意外だった。
というより,みんな修理してまで使ったりとかしないのかな・・・。
お店は裏通りにあって,
力入れて引いたらとれちゃいそうなふっるーいドア。
恐る恐る開けると、
3畳くらいのスペースに,
靴,カバン,修理に使うのであろう器具,
皮,布などが雑然と置かれてて。
その奥に,いかにもといった風情のおじいさんが。
「いらっしゃい・・・」と言いつつも、
めずらしいものを見るように、私を見た。
バッグを修理して欲しい旨と箇所を伝えると、
金物で出来たファスナーは、よくこういうことになるとのこと。
そして、「一生懸命つかったから、こうなったんだよ」と。
なんだかちょっと、うれしかった。
「しかし、うちの店、よくわかったね!」とも。
あたしぐらいの年齢の人間が来店するのはめずらしい、らしい。
思ったとおり、値段はちょっと張りましたが、
3日後にとりに行ったら、本当にキレイに直っていたので、
払うだけの価値はあったと思います。
こういう技術職は、もっと厚遇されてもいいと思うのですがねえ。
なおして使う。
昔なら当り前のことだろうに、
このごろは、なんでも使って捨てて。
その度に、どこかの誰かが飢えて死んでいて、
地球は老化が進んでいく。
そんなことを、直ったバッグを眺めながら、少し思った。