一日中考えてた

事実を聞かされても,
何も思わなかった,というのが正直なところだった。
悲しくもないし,辛いとも思わない。
かと言って,恨んでもいないので。
その人がいなければ,
今の私は存在し得ないことも十分わかっている。
世話になったこともあった。
その事には感謝している。
とても苦労した人だったとも思う。
その苦労の中に,私のことも含まれているのかと思うと,
少し申し訳ないような気持ちもする。


・・・・。はたしてそうか・・・・?
偽善で感情を偽っているのではないか?
己をそう疑ってしまうほど,
上滑りな感覚が,どこかでする。


人としてどうこう,とも,少しは考えた。
要は自分がどうしたいのか。それを貫けるのか。
そこが確かなら,何も迷うことはないのに,
他人の目など関係ない,と言い切れるほど強くはなれていない。
小さな私は,少しそこで立ち止まってしまう。
だが,式にはやはり出ないだろう。
こんな気持ちでその場に行くのは,
やはり違うと思うから。


もはや,私の中では遠い人だが,
少しでも安らかであればよいな,と思う。