ROCK GO AROUND札幌

@札幌ベッシーホール
出演:髭、HIGH VOLTAGE、LOST IN TIME,
Frontier backyard,bloodthirsty butchers

やー、寒かったよー(冷汗)
個人的目当ては当然LOSTではありましたが、
髭でしょー?HIGH VOLTAGEでしょー?極めつけブッチャーズですよ。
暴れる気満々で薄着、手ぶら。そりゃあ寒い(苦笑)
そこは気合で。
並んでたときに後ろに居た、
高校生ロックキッズの会話が面白くて、ついつい笑う。
図書館で受験勉強している人に混ざって、難しいコード進行とか、
ギターのなんたるかを記した本を熟読している友人の話とか、
ポリライブ時の壊れっぷり自慢とか(笑)混ざりてえ!
音楽的精神年齢は彼等と同等だと思われます。


初ベッシー。
そうか、岩盤はここなのね。エゾロッカーズ的には非常に感慨深い。
看板見ただけでウハウハしちゃう。
1階がレコード屋&RSR,フジロックのグッズ販売。
地下がライブハウス。
階段の壁に所狭しとチラシやらポスターやらが。
気になる名前もちらほら。
もぎりの辺りで荷物預かってくれます(有料)ロッカーはナシ。
すすきの駅から徒歩5分くらいなので,駅のロッカー使用が便利かな。
入って早速飲む。寒かったもの、飲まないと(笑)
随分待たされた割に、結構前の方に居れた。
あまり深く考えずに下手側にいたら、
ここって楽屋からステージって直で繋がってなくて、
ミュージシャンは下手側客席を通って、ステージに行くのね。
びっくりした。
すぐ横を髭メンバーが通っていくのだもの。うひー!


一発目、ツインドラムな髭。
ライブ初見でびっくりしたのは、
ドラム二人ともがっつんがっつん叩いてるのね。
どっちかパーカッションっぽいのかなーと思ってたら大間違い。
バスもダブルなので、打音がもんのすごい圧。
で、さらにすごいのは、それに負けてないベース!
こりゃあすごいっす。
リズム隊好きな体は速攻反応(笑)
北海道初だそうで。
でもそんなこと感じさせない盛り上がりな客。さすが。
スカっぽいノリがかなりたまらん。
ブラッディーマリー、気をつけろ!がすんげーかっこよかったー!


HIGH VOLTAGE
バンド名に恥じないエネルギー全開な勢い!
ここもリズム隊が非常に楽しい。
ギターぎゃんぎゃん鳴って、ボーカル突っ走ってるけど、
がっしり刻んでてて、とても体に響く。タイコばっかり追ってしまった。
ダンスナンバー連チャンでものすごくご機嫌に踊りまくってたら、横に気配が。
ほんの1mくらいのところの楽屋口で、同じようにノッてる海北君(笑)
がはは。楽しいねえ。っつうか、出番大丈夫ですか?(笑)
江別の出身学校の部室の取り壊しライブがあるそうで。
すごく切ない気持ちになった。
うちの母校(高校)も来年で廃校になちゃうのよね。
なんか、一緒に最後の打ち上げやりたくなった。
いやー、たんのしかったー!すんげえいい!!


LOST IN TIME
うたの力,音の力。
LOSTのうたは,持っている意志があまりに強いから,
ライブで聞くと,その歌の意志だけがドンっとぶつかってくるような感覚があって。
だから,音楽というよりは,その言葉が先に届いてしまうから,
その意志の重さに,動けなくなってしまう。
だから,LOSTのライブに行くのは,怖かった。
からっぽなあたしを,海北くんに見透かされてしまう,と思ったから。
自分に正直で厳しい歌に正面から向き合うのが怖かった。
絶対打ちのめされると,太刀打ちできないと。
今年の夏、郡山で初めて体験したライブは,
まさにそんなな感じで,微動だにできなかったから。
でも,今のLOSTのライブは違う。
その意志をさらに強く,そして優しく伝えるための音が,
とてもあたたかく,響いている。
これって,とてもすごいことだよね。
海北大輔という並はずれたうたの力を持っている人のうたが,
3人の力でより強く,大きく響くということなのだから。


受け手の意志,もあるけどもね。
あたしは本当に,受け取るだけの余裕も自信もなかったもの。
今も同じようなものだけど。
でもね、今回はちゃんと3人の音楽として受け止めようと思ったんだ。
言葉にしがみつくのではなく、その先が見える音を感じること。
音楽は頭とか心だけで受け止めるものではない、と、
ライブに行く度、奇蹟が起こるのを見るたび、思います。
体全部で、感じるモンなんだと。
LOSTのうたはどうしても心でっかちになり過ぎる嫌いがあって。
でも、そんなあたしでも,手をさしのべてくれるような大きさが,
時計というアルバム、今のLOSTにはある。とてもあったかい。
だから、あたしも、もっと心を開いて、居ようと思ったんだ。
日頃のどうしようもなさもひっくるめて、向き合おうと。
ありのままの,音に正直な自分でいようと。
人としてどうかと思うようなことを、最近しでかしてしまって、
とても辛かったのだけど・・・。
でも、そんなあたしにも、海北君は居ていいんだと、言ってくれているようだった。
始終涙が止まらんかった。
涙止まらんかったけど、音に体を任せることが出来た。
ベースの響き、ドラムの力強さ、ギターの煌き。
そして海北くんの、うた。
いい音,鳴ってるもの。

〈セットリスト〉
1 羽化
2 柊
3 証し
4 列車
5 はじまり
6 ヒカリ



いつものように、3人がっちり握手を交わし合う。
キンっと空気が引き締る。


1 羽化
もー、えのもっちゃんのギターの美しさといったら!!
音の一個一個がキラキラ弾けているようで。
この音だけで涙出てきちゃった(苦笑)
客席一人一人を確かめるように、ゆっくり見渡しながら、
かみ締めるように、語りかけるように歌う。
海北くんが「女」という言葉を発すると、
何故かドキっとするのよね。なんでだろ?
この曲って、朝の匂いがする。
朝の柔らかい光と、澄んだ風。朝ごはんの湯気。
大人になってゆくことを、こんなに素敵に歌えるのはすごいねえ。
今の自分を肯定できなきゃ、歌えないことだと思う。
大抵のロックは大人になると穢れていくようなことしか歌えてないのに。
時の流れには逆らえない。確かに醜いものもいっぱいついてくる。
でも、それだけじゃないでしょ?
今ここにある、生活。
ちゃんと見つめれば、こんなにもあたたかくて美しい。
あきらめることは、決して悲しいことではないのだ。
羽化かあ、なんて素敵なタイトルつけるんでしょうねえ・・・。
ラストの噛みしめるようなベースの響きが,とても好きです。

2 柊
海北くんのベースが跳ねる。
前奏のギターリフがとても印象的で。
冷たい北風が吹きすさぶような曲ですが,
このリズムは非常に好きです。
体が勝手に源ちゃんのドラムで踊る。
不意に過ぎるさよならにきっと/
少し安心しながら僕は耳を塞ぐ/
ひどく切ない表情で歌う海北くん。
LOSTの歌ってフェイドアウトするような曲が
ほとんど無いのよね。
思いを断ち切るように,バキっと終わる。
この曲も,ガツンと終わるんだけど、
引きずってしまうどうしようもなさの余韻が、響く。


「え〜随分ご無沙汰になってしまいました。
LOST IN TIMEです。
ずっと来たくて来たくて、やっと来ることが出来ました。
1年?1年3か月とか開いちゃったのかな?
今日はこんな素敵なイベントに呼んでいただいて,
これもみんな、力を尽くしてくださったスタッフの皆さん、
そして、こんなに集まってくれたあなた、皆さんのおかげです!
スタッフと皆に大きな拍手を!
本当にありがとうございます!」


・・・いつもより、恐縮したような話し方。
テンションもいつもと違うようです。
言葉数も少ないし、
なんだろ、自分の思いをまっすぐ伝えるっていうよりは、
何も言わずとも,もうここにいて,
うたを聞いてもらえてるだけでうれしいみたいな調子。
ああ、やっぱり海北くんにとって、札幌って土地は特別なんだね。



メンバーを見渡し、すっと息を吸い込む。


3 証し
うわわっ。もうやっちゃうんですか、この曲・・・。
ああ、勝手に涙が溢れて来るよ。
出だしの3人のハーモニーがとても澄んでいて。綺麗。
その美しさがあたしの涙に拍車をかける。
この曲は・・・本当にすごい曲。
自分も,周りも幸せでいられるために,
一人一人が出来ること。
それはきっと,ありのままを受け入れること。
曲全体が,思いの強さと前を向く力強さ,
そして,輝きに充ちている。
人を想うって,こんなに美しいものなのか。
音もうたも,3人も,とてもキラキラしている。
あたしには,ちょっと眩しすぎるくらい。
えのもっちゃんの弾けるようなギターに,心が躍る。
後悔と反省と,それを凌我するくらいの安堵感。
出会った人すべてがうたう理由。
その人たちの心に,言葉より近いうたを。
海北くんが,祈るように,体全部でうたう。
頼ることはしたくない。
だが,今は身を任せようか。


4 列車
源ちゃんのカウントが大声で響く。
3人の音が合わさった瞬間,
景色が一気に変わる。
灰色の空の下,荒涼とした大地に伸びる果てない線路が見える。
・・・わあ・・・。
うまく表現できないけど,
CDで聞いているより,なんか,すごく景色が大きく見える。
なんというか,
後悔している自分,を取り巻いている世界まで見える,というか。
不思議。
今のLOSTが鳴らしてるからかな?
ラストの源ちゃんのバスドラが,
線路の継ぎ目を通る音に聞こえた。
取り戻せない過去を思っても,
果てしない未来は続いていく。


5 はじまり
一変して,朝日の新しい匂いがする。
涙は止めどなく流れては居たけれど,
(もう,なんの涙なのかもわからんくなってましたが)
素直に,笑顔になれた。
少し早く、歩くようなリズムが心地いい。
海北くんの声がとてもあたたかい。
ときおり、源ちゃんの音を確かめるように振りかえる。


「今日は短い時間でしたけれど、また来年3月に来ますので。
その時に、また。
再会を約束して。
出番が終わったら・・・おもいっきり楽しみます!
楽しみましょうね!
僕も、あなたも、これからはじまるんです。
本当にありがとうございました。「ヒカリ」」


6 ヒカリ
新しいアルバムの曲たちのとともに聞くと、
この曲の輝きが以前にも増して強く聞こえる。
ああ、コーラスキレイ・・・。
えのもっちゃんのギターが、全力疾走のように、
早く早く、フレーズを刻む。
海北くん、弦切りそうな勢いで力いっぱい、ベースをはじく。
源ちゃんの力強いリズムに、
何かが湧き上がってくるような感覚が。
ああ、この気持。大事にしなきゃ。


なんども礼をしてステージを降りる3人。
そしてあたしのすぐ横を通って(汗)楽屋へ。
礼を言いたいのはこっちです。
もう涙流しすぎて頭ぼーっとしちゃってますけど・・・。
思ったこと、感じたこと、考えたこと、
いっぱいありすぎて、ちょっと心が大変(笑)
でもね、楽しかった。すごく。
LOSTの中でも音がハネてる曲ばかりだったので、
体が反応しやすくって。
傍から見ると相当変な人だったとは思いますが(苦笑)
だーだー泣きながら踊ってるんだもん(笑)
がしかし。自分は大変満足です。
体がノッちゃうのも、涙が流れることも、
うたに対して素直にいられた証拠だから。

自分を否定することは、肯定してくれる他人の事をも、否定してしまうこと。
それはやはり、間違っているのだろう。
あたしを認めてくれている人がいる限り、
あたしはあたし自身を否定してはいけないのだ。
あたしが尊敬する、その人たちに、とても失礼なことなのだ。
自信も、意義も、意味も見出せていないのは、
(はなから、そんなものは無いのだとしても)
結局、想いを受け止めきれていないから、なのだろう。
受け取ったものを、還元できていないのだ。
自分には、まだ、やるべきことがあるのだ。こんなあたしでも。
だから、生きているし、尊敬すべき友人たちもいてくれるのだ。


笑顔でいたい。
いつか、いつか、あたしが大好きなひとたちが、
笑顔でいられるように。



そんなこんなで、大分使い果たしてしまいました(笑)
ので、ちょっと休憩。
飲みながらボケっとしていたら、
すぐ後ろでハイボルの皆と源ちゃんが雑談・・・。
わあ、びっくりしたー・・・。
ふと見ると物販にはえのもっちゃんが!
新Tシャツにサインいただきましたー(喜)
羽化、すんごいキレイだった旨伝えると、
出だしちょっと失敗しちゃった・・・と自己申告(苦笑)
やっと、自分が、LOSTの音を楽しめるようになってきた、
と伝えると、
踊れるような曲作りをしたいなあとは思っていて。とのこと。
・・・なんだか、とても納得。
単純にノリがいいとか、踊れる曲を作る、という意味ではないと思いました。
きっと、心が踊るような曲にしてあげることを目指しているということなのではないかと。
なんだか、すごくうれしかったっす。


次のバンドは、なんだかよくわからなかった・・・。
ので、そのまま飲みながら見学。
その間、ひさ子ちゃんがすぐそばを通り過ぎたり(汗)
落ち着かないことこの上ない(苦笑)


トリはブッチャーズ。
が、しかーし。
JRの時間が迫っていて、結局2曲しか聴けませんでした(大泣)
初めてひさ子ちゃんのギター、生で聞けた。
もうね、かっっっっこいい!!しか言葉でませんて。
あの猛者の中で、あんだけ爆裂できるなんて、さすが、の一言です。
二人のギターの響きだけで会場中引き裂けそうなキレ方してて。
なんか圧倒されちゃって、すごい!すごい!しか、
頭に浮かんでこない・・・。
楽屋口で海北くんがたまらんって顔で聞いてたのですが、
はたと気づくといなくなってて・・・。
と思ったら思いっきり客席で、客になってました。
ああ、本当に、本当に大好きなんだねえ。


最後までいたかったけれど、途中で失礼させていただきました(泣)
ブッチャーズ、「LOST IN TIME」やったらしいですねえ・・・。
聞きたかったなあ・・・。
地元への列車、冬は少し早い時間になるのよねえ・・・。
やってくれるぜ・・・。
ともかく、いいライブを見られて、
とてもとても楽しかったっす!
やっぱこのROCK GO AROUNDはいいね!
夏の面子も素敵だったもの。
また地元および近隣県での開催を楽しみにしています!
出来れば次は土曜日とかの方がありがてえ(苦笑)