記憶

空に昇っていくあいつを見て、
やっとどこへでも行けるようになれたなあ、と、
ちょっと、うれしくなりました。
人によっては不謹慎と取られる方もいるかと思いますが。
これが、正直な気持ちです。


まだちょっと先だろうが、
いつか、また、と、手を振ったら、
少し落ち着いた。
きっと、腐れ縁だろうから(苦笑)
ああ、でも、あたしはあいつと同じところへは行けないかもな。


いろんな人の話す言葉の端々に、
あいつとの時間の記憶が蘇る。
忘れているのでも、覚えていられないのでもなく、
思い出す力が、年とともに失われていくのだという話を、
ふと、思い出した。
あたしみたいな奴でも、
人との繋がりが持てていることに感謝したい。
いっぱいあるなあ、あいつがいた、あたしの時間。
そして、もらったもの。


泣くのは、もう止したいのだが。
もう少し、もう少しだけ。