出会い

好きになるのにとても時間がかかる性質で、
それは音楽にもとても言えることで。
この曲いいなあ・・・と思ってから、実際にCDを購入するまで、
相当時間を要する。
それだけおいても、まだひっかかるものが、その曲にはあるのか。
・・・いつもそんなこと考えている訳ではないけれど、
結果的にそういう思考が無意識に働いているようなのですよ。
そしてそれだけの覚悟でCDを買うので、
売るなんてことはほぼ無い。
だから某大手中古屋には買いにいくことはあっても、
売りに行くことってほとんどない。


初期衝動のインパクトって、本当に忘れない。
これだけの期間熟成させてから本気出すので猶更。
だもんで、このインパクトを超える曲ってのは、そう出てくるものではない。
っつうか、出ない。
閉じてるつもりは無いんだけどなあ。

THE BOOMというバンドがいます。
出会いは14年前、深夜番組で流れていた「星のラブレター」という曲でした。
とてもキラキラして、切なくて、なんて素敵な歌なんだろうと思った。
それから5年。
再び出会ったのは「真夏の奇跡」という曲で、
ああ、あたしやっぱりこの人たちと本気で向き合わなくちゃいけないんだなあ、
と半ばあきらめて、CDを一気に集めました。
トドメは「月さえも眠る夜」と「デ・ジャ・ビュ」だった。


昨年出たアルバム「百景」
本当にとても良い、愛にあふれた素晴らしいアルバムだった。
その中の「白いハマナス」という曲。
曲を聴いて記憶がフラッシュバックすることがありますが、
匂いや肌触りが感じられるほどの力のある曲でなければ、
なかなかそんなことは起きない。
でも、この曲は・・・。
ずるく生きることがうまくなってしまった自分がもう忘れかけていた、
昔の自分が目指していた「理想の自分」を思い出させられたのだ。
身を切るような寒さの中、それに負けじと凛と咲く、汚れなき白。
そういう人になりたかったんだよ。
強さと優しさを兼ね備えた大人に。
そしてそう思っていた当時の自分を思い出した。

・・・涙がこぼれました。
あたし、あの頃のほうが人に対して優しくできていたように思います。

後悔とは違うけど、少し、悲しくなった。

この「白いハマナス
THE BOOMの曲の中でも、
特別な存在になりました。