消化不良・・・。

攻殻機動隊SACⅡがとうとうフィナーレ。
最終回、見るの先延ばしにしておりましたが、とうとう見ちゃいました。
・・・まあ、ねえ。
このシリーズ時点では、今だ
「ゴーストを持ち、それを信じようとすることで自分を保っている草薙素子」である訳で。
自分の過去の存在を肯定できる存在だった唯一の人は、「その先」へ行こうとする人だった。
それも、人智を越えた、第6感に基づいて行動する人。
・・・・。
確かにね、委ねてしまいたくなる気持ちはすげー分かるんですよ。
頼る人間がいない人が、考え付く限りの事をしてもどうにもならない事態に陥った時。
常識を超えて、突き進む力がある人が居れば、任せてしまいたくもなろうよ。
すんげー気持ち分かるんですが。
些細な日常の中にも、日々あることなので。
でも・・・、でもねえ!
SACの草薙素子には、踏みとどまって、断固戦って欲しかったっす!!


独裁と革命は本当に紙一重
劇場版第一作を見て、切実に思いましたですよ。
安きところへ流れてしまう、我々の思いや存在は、
無意識下の意識を完全に把握してしまえる人に抗うことは出来ないのか?
っつうか、抗う意味があんのか??ってハナシ。
そう、その行為すら「安きところへ流れている」のではないのか??
導かれているようで、結局のところは委ねている。
「特別」という言葉はあまり意味を成さないけれど、
「始めに気づけた人」は、後に続く人たちを背負わなければならない。
そして結局は「責任」を押し付けられるのだ。
その押し付ける側に素子さんがいっちゃったのが、納得いかない。


もちろん、それが自分で選択した道だったとしても、
示された道筋を辿っているだけなのではないか?
そこから抜け出せない程度な能力の自分は、
そこを越えて行けるだけの力をもった草薙素子を・・・・。
それこそ「崇拝」していたのかも。
・・・と、この軽い苛立ちを収めたく思いました。
架空だからこそ、概念や常識をぶっ飛ばして受け止められるんだ。
まあ、よくもあり、悪くもあるのだろうがね。


やっぱり素子さんには、最後まで戦って欲しかったっすねー。
自分にはね、クゼみたいな人間は現れないだろうから。
うぐぐ・・・。

愛しのチームタチコマが完全に消滅してしまったことも、もんのすごく不満。
いや、なんか「意識」を書き残してったっぽかったけどさ。
それにしたって、前回みたいに完全に復元するなんて出来なかったんだろーし(泣)
うにーー!!(怒)タチコマ返せ〜〜!!


バトーさんの「素子おおお〜〜!!」はお決まりになりつつありますが(笑)
報われない愛の叫びとでもいいましょうか・・・。切な〜・・・。
まあ、〆はこれだよね、的な(笑)
でも、ほら、「心を許せるヒトたちがいなくはない」って素子サンおしゃってたし。
バトーさんが望む形ではなくとも、彼女にとっての「特別」ではあった訳で。
「素子さんにとっての特別」って、他のヒトより重さが違うんだよな。
好き嫌いの問題ではなく、命を預けられるだけの信頼を勝ち得ていられるか、
というものすごい限界ギリギリのラインの「信頼」なので、
「ミッションをまかせられる」だけで、相当な「特別」だと思いますが。
「唯一」になるのはー・・・、どんな人間でも無理かもな。
それこそ、「常識の枠を超える」程でなければ。


監督、スタッフの皆様。
本当にご苦労さまでした。
毎月毎月、驚かされる映像に圧倒されるばかりでございました。
先が見えないストーリーに、なんど悶えた事か・・・。
まあ、欲を言えば、
作監が違うと、もんのすごく画に差が出ちゃうのが気にはなりましたがね。
素子さんって、ほんと「峰不二子」やなー。
作監の手癖、感覚、気分で完全に顔つきが変わっちゃう。
ある意味狙い通りだったのかもなー。
でもねー。
やっぱ、顔つきぐらいはちゃんとして欲しかったなー。
彼女の内面を示すような、顔を・・・ね。
義体なんだしねー。
・・・・いやいや、義体だからって意識が、作監にあったのかもなー。
「俺が理想とする完成系」みたいなね。
それを考えると、素子さんって、「世の人々の思い描く完成系」
なのかなーって。
クゼになりえるだけの素養があるのに、成り切れない、みたいな、さ。
どこかで‘こんな世界でも繋がっていたい‘的な思いが働いちゃうのかなー。
SACシリーズでは、俺らの思いが、あえて、素子さんを繋ぎ止めてしまったのかも。


むむむ。所詮凡人なのさね。素子さんに比べればさ。
作り出している人達も、ね。
失礼ながら「草薙素子」とい存在に、
我等は、「先」を見ずにはいられなかったんだろうな。
自己の存在、幸福、正義、個、世界、差別、価値・・・・・苦悩。
違う次元に行く前の過渡期な存在。
・・・そんな感じです。


時間を作ってもう一度すべてを見直したい。
きっとまた、違うものが見えそうだから。