100の夜を越えて

December come.


11月が終わりました。
ひたすら吸収と放出を続けた1ヶ月。
それも、ものすごい濃密に。


全然整理ついていませんが、
少しだけ、記憶の楔を。


岩手で見聞きしたことは一生忘れられないです。
心が抉られて、ごっそり失ってしまったような感覚がずっと続いていまして。
帰路につく車中、涙が流れたまま止まらず、
いろいろな感情が渦巻いて、収集がつかなくなっていました。
多分、一番大きかったのは、くやしい、ってことだったとおもいます。
帰って来てからも、頭も体も重く、視界がぼんやりしていて。


ランタンナイトは、
12月の札幌に行けない(先約があった)のが自分の中で納得いかず、
どうしても会いたくて無理やり前進座に行くことにしていたんですが、
結果的に、このタイミングで蔡くんに会いに行けたことは、
とても大きな救いとなりました。
ライブのチケットを買う、ということは、
近い未来を、己ですでに選択していることなのだなと、
そして、結果論ですが、選んだ未来は違えたことがないなと。
少し大袈裟ですが。
蔡くんのうたは、特にソロでうたうときのものは、
失うことと在ることは、当然にひとしく起きることなのだと、
土と空の間に、ぽつねんと立つひとりのひととして、
いとしいものを、在る限り大切にすることしか、できることはないよ、と、
負の感情が飽和状態になっていたわたしに、
そっと、語ってくれたような気がしました。
足元と、周囲を見ることを、思いださせてくれた。
この日はこの場所に居られたことが、本当に・・・助けとなりました。
もちろん、すごくたのしかった。
お手伝いしてくださった腕利き御三方とのカルテットは、
初めて聞くような響きあいばかりで、本当にたのしくてわくわくしました。
会場も、不思議ステキでしたしね。


うたってくれてありがとう、蔡くん。
蔡くんのうたうたいとしての力、
どんどん深さとおおきさとやさしさが増していく。
あと、
もちょっと口は慎んだ方が(笑)


蔡くんに、我に帰らせてもらってから、
この後の二本のライブを観られたのも、偶然であり、必然だったのだろうな。
それでなければ、
心を損なったままで、何もみえなかっただろうから。



the HIATUSはー・・・。
もうなんでしょうね。
あんなの、観たことも聞いたこともないです。
とんでもないものが生まれてました。
ライブ始終、すげえ!!なんだこれ!!しか言ってなかった気がします(苦笑)
初日だったこともあり、
演る方も、観る方も、この船が、どこへ行くのか、どうなるかわからない、
でも、なにか、ものすごい感じたことのないエネルギィの循環が起きてる、っていうのは、
わかるし、めっちゃくちゃ感覚が揺さぶられるし、
高揚感が・・・ハンパなくて。
細見の詩の意味が・・・音に凌駕されているのを初めてみました。
うたは、凛としていて、音と溶け合っていて、それは素晴らしい響きあいで、
えーっと、なんといえばいいか・・・。
詩の意志にひっぱられすぎないで、うたが音と同化できてるというか。
音の雄弁さが勝っていたというか。
音数が多いからとかいうことではなくて、
音が描ける景色の色とか温度とかに圧倒されたというか・・。
うーん・・・うまく言えない・・・。
まだ全然理解しきれてません。正直。
一緒に行った友とも話していたのですが、
この日受け取ったものは、もっと時間を置いてから、何かしらの想いが生まれるのではないか、
というより、昇華するまでに時間がとてもかかるのではないか、とおもいます。


初日でこの状態でしたから、楽日は、いったいどんなところまで行ってしまうのか・・・。
細見がもちょっと落ち着いて(笑)舵取りがっちりできるようになってるだろうし、
ストリングスチーム、ホーンチームとの拮抗はどんどん無くなってるだろうから、
間違いなく、景色は変わるだろう。


まだツアーは続いていますから、細かいデティールは控えます。
が、
ホリーのグランドピアノと、道元さんのフルートと、
青弦さんのチェロと、柏倉くん×一瀬くんのユニゾン(!)は、
耳を集音機並みに発揮して聞きやがれこのやろうって感じです(笑)



ストレイテナー
自分の直後の感想が、全部出したからなんも残ってねえ、でした。
今少し冷静になって、今更ですがびっくりしています。
25日の日記にも書いたのですが、
吐き出し過ぎて空っぽになったあげく、負の方向に引っ張られる始末(苦笑)
彼らから受け取った・・・というよりも、
あたしが吐き出したものを、全部受け止めてもらった、という感覚が強いです。
ここまで、彼らの前で自分を吐きだしたのは・・・初めてで。


テナーは、熱さも冷たさも非凡な沸点で発揮できるバンドですが、
必ず、見通している冷静さが一筋あるのです。
だから自分も、自分の中の価値観みたいなものは常にあったままで、
頼るというより、ぶつかり合うぐらいの気持ちで、彼らと対峙するのですが、
・・・気付いたら、もうすべて預けてしまっていて・・・。
この日までに自分の身にいろいろなことが在り過ぎたのは確かなのですが、
・・・こんなに懐広くてあったかいバンドでしたでしょうか・・・。


もうひとつ。
ホリエの開き方が、どうしちゃったんですか?って聞きたくなるくらい、開ききっていて・・・。
頭からアンコールまで、
うたうのたのしいって、体中で言ってるみたいでしたし、
今日ヤバい、みたいなこと直に口にもしていましたし。
それがメンバーにも派生して、とんでもない広がり方をしていまして。
音が・・・オーディエンスみんなを、包み込んでるような・・・そんな感じでした。
今までより、より重く、がっちり刻みつけることにより、
景色の確かさと、ホリエの世界を支えるシンペイ。
時折揺らぐメンバーとホリエをつなぐ確かな歩みと、
時には全員を煽るように跳ねる、頼りになるひなっち
鮮やかに鳴り、悲しみを描き、色づくように声をそえるおじぇい。
そして、
たのしむことが、より、景色を鮮やかにするのだと、
頭で、というより身体が理解し体現してしまっている、うたうたいホリエ。
目の前に、ひとができうる、繋がりが生む美しさの最たるものが繰り広げられていました。


札幌はSOILがゲストで、最高のパフォーマンスを魅せてくださったのもデカイ。
むっちゃくちゃかっこよくて、テナー始まる前から汗だくになっちゃいまして。
その所為もあってか、メンバーの気合いが、もう、ものすごかったですもの。
FNTD完成型。
ええ、そりゃあもう、とんでもねえことになってました(笑)


自分を吐きだしただけでは、当然ありません。
受け取ったでっかいものが、どんと、重さとして感じるほど、心の中に存在しています。
・・・これ、言葉にするのは、かなり難しいですね(苦笑)
もう、メンバーには、感謝しかありません。
四人の強い・・・絆が鳴らす音は、どんどん強度を増している。
受け止めてくれたおかげで、申し訳ないくらい大きな、進む力をもらいました。
ありがとう。
ストレイテナーでいてくれて。


大きな変革の時に居合わせている、という予感は、
間違いではなかったようです。



さあ パーティーはこれから


来年が、たのしみです。



11月。
めいっぱい使いきりました。
めいっぱい、助けてもらいました。



みんながいてくれて、
やっとあたしは、立って居ます。




12月は、
かっさんに会いに、武道館へゆきます。
翌日マチネに、久しぶりにケラさんのホンを観にコクーンへ。


あとは沈黙。