OKI DUB AINU BAND

SAKHALIN ROCK TOUR 2010
@函館 BLUE POINT
2010.9.9


会場は本町の飲み屋街ど真ん中にあるイベントスペース。
多分、以前はクラブ(おねえちゃんがいる方)だったと思われる場所を、
利用したところだと思われます。
ステージがなくて、客席との境界線もなし。
客席側、途中少し段差があって、
低いパーテーション的な壁っつうかがあります。
何脚か椅子が置いてあったり、一方の壁側にはソファがあったりしますが、
基本オールスタンディング。
調べもしないで会社帰りにまっすぐ行ってしまい、
ジャズバーだと勝手に思っていたあたくし、即座に後悔(笑)
荷物邪魔〜。パンプス足いて〜。
それでも、びっちり客入れると150くらいはいくらしく、結構な広さはあります。
ポスターがたくさん貼ってあって、
DJイベントは結構やってるっぽかったです。


開場待ちしている間に、
沼澤さんがふらっと出ていらして、お知り合いの方と談笑・・・(汗)
これだけでテンションだだ上がりだったんですが(笑)
居合わせた知人に「沼澤さんは函館に御親戚がいて、今日も来ているらしい」
という話を聞き、さらに妙なテンションに(笑)
沼澤さんって、あたしにとっては雲の上の方なので、
「繋がり」があるなんて、到底想像できなくて・・・。あひ〜(汗)


ライブの話しよーね(笑)


音源では聞いていたけれど、ライブは初参加だったので、
どんな感じになるのか想像つかなかったんですが、
こんなに、ダンスフロアになるとは、思わなかったなあ。
老若男女問わず、みんな思い思いに体動かしてて。
リズム隊、沼澤さんと中條さんだもん。体勝手に動いちゃうよね(笑)
それと、もうひとつ。
人間は根本的なところで、
歌ったり踊ったりしたいという欲求が必ずあるんだなってことを、
体験として改めて確認したなあ。
ルーツミュージックって、
その欲求を行動として実行させる引き金を持った響きなんだな、ということ、
直に浴びて、より深く感じましたね。


観賞するより、体現することにより近い音楽。
聞くより自らが動くための音楽。


MCでOKIさんもおっしゃってましたが、
アイヌ語アイヌの音階、リズム感で歌ってはいるけれど、
曲によっては、他国のルーツミュージック、
ブルース、アフリカン、レゲエなど、
いろいろな国のいろいろな人たちのリズムだったり匂いがするものがあって。
それは、とても不思議ではあるけれど、
そう感じることに違和感がなく、素直に合点がいくのは、
歌いたい、踊りたいという気持ちにを形にしているという点では、
フォーマットは違えど、現代の音楽に比べて、
より人間の根っこの欲望に近い音楽たちだからなのかな。と思ったり。
精神的な共通項があった上で、
風土や気候によって、様々に形を変えていった音楽たち。
ふふ。面白いっすね。オンガク。


トンコリは、遠く樺太の地からやってきた楽器だそうで。
弦をひとつ、はじいただけなのに、複数の音がいっぺんになっているような、
滲んだ音がします。
とても美しく、やさしいその音色は、カムイコタンの水面に降る雪の揺らぎのようです。
バンド名にもなっているけれど、ダブっぽいんですよねえ、音色自体が。
ギターのように派手で攻撃的な音ではないし、
アイヌ民謡自体、テンポはそんなに早くはないけれど、
現代のリズムと音色を少し加えただけで、ものすごいグルーヴが生まれていて。
ムックリや、鈴を使ったり、
コーラスもハーモニーを作るというより、輪唱の方が多かったり、
使われている手法は馴染みのあるアイヌ民謡のものなんだけれど、
体に伝わってくるグルーヴは、
ライブハウスやフェスで親しんだロックやファンクのそれだったり・・・。
ひとつひとつはよく知っているのに、
両方が混ざり合ったOKIさんの作りだす音楽は、
まったく新しいものとして響いてきて。
不思議で、心地よくて、そして何より、とても楽しい、音。



それにしても、会場、ものすごい盛り上がりでした。
気づいたら自分も結構派手に踊ってましたけど、
みんな好きなように楽しんで、すごくいい光景でしたねえ。
なかなか、函館であれだけ盛り上がるなんてないですよ。
ここ函館だっけか?って疑っちゃうくらい。
若い子がたくさんいたことにも随分驚きましたし。
我が地元も、やっと変わってきたのかなあ。
楽しみ上手な子が増えてきているみたい。
好奇心旺盛な子も。
最近、いろんなミュージシャンが来函してくれるようになりましたし。
ライブってものに慣れてないだけなんだと思うので、
こういう機会、どんどん増えていけばいいな。
そして、何にでも興味もって足運んでくれるようになればいいな。



沼澤さんと出会ったのは、かれこれ12年くらい前。
スガシカオの札幌ライブで、サポートなさってたのを見たのがきっかけ。
とにかくもう、なんてかっこいいリズム生みだす人なんだろう!!って、
ボーカルそっちのけで(笑)沼澤さんばかりに目と耳がいってしまって、
すっかりそのグルーヴの虜に。
それから年一回は、必ず、沼澤さんが参加しているライブに行くようにしてて。
聞かないと、感じないと気がすまんのですよ(笑)
あたしのリズム隊好きは、沼澤さんから始まってるんで。
自分のリズム感のチューニングをするような気持ちなんですよね。ここが、基本。


沼澤さんのドラミングはもちろんですが、
生き方や、人との接し方、敬いの心、
すべてにおいて尊敬しています。


その中でも、今日のライブは・・・特別でしたねえ。
よもや函館出身だとは・・・夢にも思いませんでした・・・。
御親戚もたくさん見にいらしていて、
みなさんで談笑されている姿をぼんやり見つめてしまいました・・・。
沼澤さんの見たことのない顔がたくさん、そこにはありましてねえ・・・。
MCでOKIさんが「今日は沼澤祭りだ!!」なんておっしゃったり、
ご本人も「毎年墓参りしたいので呼んでください(笑)」なんて(苦笑)
あこがれの沼澤さんと、こんな近い繋がりがあったなんて。
こんなサプライズも、まあありつつ。
(・・・正直、こんな事実を知れたことだけでも、今日という日は素晴らしかったんですが・笑)
相変わらず、沼澤さんは・・・・ものすごい素敵でした!!!
いつもの通り、派手に主張することはなさらず、
あくまでうたを押し出すことを、
がっしり揺るぎなく、全体のうねりを大きくすることを守ってらっしゃって。
それでいて、聞き手の体を揺さぶる、
あのわくわくするグルーヴを捻り出していて・・・。
やはり、沼さんはすごいです。
毎年毎年、やっぱり沼澤さんじゃなけりゃあねって、思うんですよね。


ラスト、アンコールのドラムソロ。
あまりにかっこよくて、踊るどころか見とれてしまいました(苦笑)





はい。
なんだか、ライブリポなんだか、なんなんだかって感じですが(苦笑)
正直、聞きこんでないので、セトリ上げられなくて・・・ごめんなさい。
でも、
あの場で感じられたこと、思ったことをとりあえず言葉にしてみました。


楽しかった!素晴らしかった!!
なんて、端的な言葉では到底表現しきれない、
特別な時間だったと、今改めてかみしめています。



もうひとつ。



沼澤さんが、ブルースブッチャーズと、シアターブルックと、OKIさんに、
最近の仕事を絞ってらっしゃる意味が、やっと、少しわかった気がいたしました。
分かった気、だけだと思われますが。




お目汚し、平にご容赦を。