阿佐スパ「桜飛沫」 ケラ「労働者M」

harikona2006-02-11


東京に住んでいる人は、
あの大量の人が感覚を切って行き来する様が、気持ち悪くないのかな?
そんな渋谷センター街でも、月は同じように冴えている。


朝羽田に着いて、やっぱり阿佐スパが見てえなあと思い、
当日券を求め、まっすぐ世田谷に行ってみる。
まあ、もともと、見ようと思っていた「フクロウの賭け」も、
同じ敷地内にある劇場だったので、
駄目元な気持ちで。


当日券発売2時間前に着いて、6,7人・・・。
これはいけるかも、と最後尾へ。
世田谷パブリックシアターは建物内で並べるので、冬も辛くない。
ひたすら本を読みつつ、無事当日券ゲット。
結構前の席で見られたので、頑張ったかいがあった。
ようやく初めて、生で見ることが出来た阿佐ヶ谷スパイダース
長塚くんは都会育ちなはずなのに,
村の閉塞感とか,コミュニティー内での集団心理とか,
描くのが本当にうまいよなあ・・・。
憎しみの連鎖が雪だるま式に増幅されて,取り返しがつかなくなって。
それでも,ほんの少し,分かり合えてるような気がするとこが,
長塚くんのホンの好きなとこ。
会話のすれ違いとか,勘違いから生まれる笑いも,
間があたしの生理にあってるようで。
酷いこと,エグいこと,いっぱい展開される中,
夕日が綺麗とか,桜がひらひら舞い落ちるとか,
子供のためだったらなんだってする親の愛とか,
ふっと息をつきたくなるような美しい場面が現れる。
この緩急が,痛くならない良さなんだろうな。
2幕ものだったのだけど,まったく別の話が展開されて,
最後に一つになるという離れ業をやってのけてました。
まあ、ちっとばかし、人数多すぎて、もったいねえ感じもしなくもなくでしたが。


やっぱ峯村ねえさん(ナイロン100℃)と椿ねえさん(大人計画)は
めっちゃいいっす。
ふたりとも足りない感じの人なんだけど,
すごく愛らしいのに、強さがあって。好きだなあ。
なんでこんな女の業をうまく引き出せるんだろうね。長塚くん。
そうそう、びっくりしたのが、
本谷有希子ちゃんの「石川県伍参市」見た時に、
すげーかっけー女優だなあ、と思った吉本菜穂子ちゃんが出てたこと。
あの時のすげークールで、刹那的な印象しかなかったから、
今回みたいなおっかあタイプの役やっててびっくり。
実はこっち方面の方がお得意だそうで。


そしてそして,久々!山内圭哉!(Piper)
ヅラだったので愛しの辮髪は拝めませんでしたが,
存在自体がヤバイ(苦笑)
出てきただけで、空気が違う。誰だかサン(某古田新太)みたいっす(笑)
アイデンティティかあ。なるべく考えないようにしてるけど。
男って、そこ、こだわるよね。しがみついてる、と言ってもいいくらいに。
そんなこと考えても、腹の足しにはならんと、思ってしまう時もあるのが、
この血なのかな。
なんか長塚くん、益々痩せたように見えましたが、
水のみ百姓にぴったりで(苦笑)


夜は渋谷に移動してタワレコにてZAZENのHIMITSU GIRL〜を購入。
来店ポラや、CDをぼんやりながめてから、
シアターコクーンにて労働者M。
センター前から2列目。近すぎ・・・。
松尾さんがすごく老けて見えてびっくりした。
わざとなのかもしれないけれど。
こういう神経細かすぎるっつうか、
他者を攻撃することで、優越感を得て安心したいのに、
いざ自分がされると安易に許しを請うような、いかにもな役。
ぴったり過ぎて嫌気がさすほどっすよ。・・・褒めてます。
すごい好きなんすよね。役者松尾スズキ
嫌気がさすのは、身に覚えがあるから。
奇麗事を無意識に求めるのは、許して欲しいからなのかね。
あんな匂い、かもし出せる人、そうそういない。
お帰りなさいな明星ねえさん。いやー、存在感ありまくりっすよ。
女優としてしばらく稼動してなかったなんてありえねえ。
で、思わず自分に突っ込みそうになったのは、
イケテツ池田鉄洋猫のホテル)がかっこよく見えちゃったあたしの目(笑)
別にかっこよくもなんともない役だったのになあ・・・。
なんでかしらねえ・・・。
死んだあとの達観した佇まいが、そう感じさせられたのか。


にしても・・・。
久々のケラさんの新作。むーん。
あたし、感性鈍ってんのかなあ?久しく生でみてなかったからなのか。
ところどころ面白かったんだけど、疲労感だけ、残っちまった。
このぞわぞわした感覚を残したいがための物語だったのか。
否定は出来んが、肯定もできん。


昼夜。
芝居を4本見たようなものだったので、ひでえ疲れました(苦笑)
しかもなんかこう、脳に溜まる感じの話だったんでね、4本とも。
翌日昼に起きたはいいが、頭が重くてぼーっとしていて。
空港でそば食って(またか)早々に帰宅しました。
見に行ってよかったんだけど・・・。
まいったなあ・・・。