10年。

秋盤から始まって、10年聴き続けているのだな・・・。
もう本当に、いろんなことが起こり過ぎて、
時間を、記憶を重ねたという・・・感慨があまりない。
正直に言ってしまえば、
ここ5年はひとつながりの只中で、
まるでそこから動いていないような気すらしてしまう。


私は志村が作ったうたが大好きで、
好きっていうより、
こんなへんてこりんでかっこいいうたうたえるのあいつしかいなくて。
それだけじゃなくて・・・なんというか、
結構さらっと心をひっかいていくというか(苦笑)
ライブが緊張感に満ち溢れたまま終わったことも1度や2度じゃなかったし(笑)
もう、なんなんだよ?!って言いたくなることもいっぱいあったし。
それでも、観たい、聴きたい、と思わせる何かがあいつにはあって。
ちょっとずるいなーとも思ったり。
・・・こういうこと書くと、ニヤニヤ笑ってる顔が浮かぶ(笑)

そのへんてこりんでかっこいいうたを
さらにへんてこりんにかっこよくして鳴らせるのは
先生と総くんと加藤さんしかいなくて。
まあ、なんというか、負けず劣らずどうかしてるひとたちですし(笑)
もうホント、このバンド最強だと。


総くんがうたいだして、詩曲を3人合作で作るようになって。
率直に言うと・・・悪くない、んだけど・・・なあ・・・ってしか言えないんだ。
今のフジファブリックには。
まだまだ手探りしてるのに、
なんだかアウトプットの規模が大きくなっていることにも、違和感があるし。
・・・ただ単に、私個人の気持ちの問題なのかもしれないけれど。


人は前を向いて歩いていかなければならない、
訳ではない。
後ろを向こうが、下を見ようが、天を仰ごうが、立ち止まろうが、
時間は未来へ向かって流れてゆく。
人はそれには逆らえない。
良くも悪くも、進まざるを得ない。

鳴らし続けること、
そうしてそれを聴き続けること。

全部、抱えたまま、
転がってゆくしかないのだなと思う。


10年一緒に歩いてきた。
節目というには手ごたえがないけれど、
多分私たちは、こうやって、あがいてもがいて、戦っていくしかないんだ。
それでいいんじゃないだろうか。

出会えたことと、ここまで一緒にこれたことには、
一片たりとも後悔はない。
これからも、歩いてゆこう。